Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

向田さんの審美眼

どのブランドだから、誰がつくったものだから、誰かがお奨めだと言ったから…

自分の目で見て、自分としての最上、お気に入りというものを選べる、そうしたものに囲まれている生活ができるのが格好がいい。でもそれは、本当に自分の感性に敏感に素直に生きていないとできない。

向田邦子さんって数少ないそういう人だったのでしょう。洋裁を嗜み、自分で気に入った服を旅行前の1時間であつらえる。きっちり奇麗に磨き込まれた靴。そして物書きだった向田さんは、鉛筆は纏め買いで軽く書ける4B、5Bを愛用してグイグイ物書きをしたそうです。万年筆は人が使い込んだものを最上とし、気に入ったものは頼み込んで譲り受けたそう…

なんか、完全に自分の中にモノを選ぶ基準があることがうかがい知れます。

ブランドでしかモノを識別できない人って、物事の本質に興味がない、それ以前に人の目だけ気にして自分の事が分かっていない人じゃないかってそう思うのです。

向田邦子という人は、ムダが好きでムダを人生の深さにした人だと思います』(向田和子)

そういう人だからこそ、人の心の感情の機微に触れる優れた作品を生み出せたのでしょう。