Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

有事の天使

もうかれこれ5年前のこと。17時53分名古屋発東京行き新幹線。指定席に座ろうと車内に入ると通路奥に人溜まりがある。

自席のそばまで来て見遣ると、中年男性が痙攣を起こしながら3人席の前で卒倒している。倒れる際に頭も切ったらしく、みるみる床に血だまりができていく。列車は緊急停止し、駅員、クルーが急病人の搬送をしようと集まってくる。でもその対応は遅々として進まない。

そんな中、倒れた男性に付きっ切りで手当てをする20代の女性がいた。「いきものがかり」のボーカルの子に似ている。

彼女は駅員が手をこまねいている中、病人に語りかけながら止血を行い、医師がいるかを周囲に呼びかけ、駆け付けた駅員には状況を話していた。手や膝が血で汚れることも厭わずに。

彼女は倒れた人の知り合いでも何でもなく、偶々隣の席に居合わせただけらしい。

列車は名古屋駅に15分停車し、急病人も担架で漸く搬送された。彼女は搬出時にも介添えし、彼の荷物を駅員に手渡すとまた車輌に戻った。そして、心配そうに彼女を見つめる周りの目に恥ずかしそうにしながらも自分の席についた。

手をこまねいていた駅員を遥かに超えた見事な対応。同じ状況でこのような事が自分が出来るのか?彼女に心で喝采を送るとともに、ショックを受けた出来事だった。


あまりに感動したので品川駅で降りる際に彼女に声を掛けたら、とんでもない…と。いい光景を見ました。