Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

女ともだち

心の中にわだかまりがあると、自然に相手に接することが出来なくなってしまう。それどころか、完全に無視のような行動をとってしまう。嫌な気持ちを押し隠して、平然と人に対することが出来る大人には、僕はいつまで経ったってなれそうもない。


大学の時に好きなクラスメートがいた。最初は何とも思っていなかったのだが、何かと接する機会が多かったこともあり、いつしか好意と抱くようになった。


自分の気持ちが明確だったので、相手の子に告げ付き合うようになったのだが、何かいまいち煮え切らない関係だった。僕は基本的に相手のことを疑わないので、まあそんなものかと思っていたのだが。その態度に相手の方が罪悪感にとらわれたのだろう。実は、別に付き合っている好きな人がいて、その人との関係を清算できないので、もう付き合えないのだとある日告げられた。


普通にデートをして一日遊んだ帰り際に言われたその言葉は、僕を完膚無きまでに打ちのめすものだった。

 

「そっか、仕方ないよな。そいつと仲良くやれよな。じゃあな」
申し訳なさそうに俯く彼女に、僕はそういうのが精一杯だった。

 

彼女とは、様々な大学の活動が一緒だった。いつも友達のように仲が良かったから、周囲は付き合っているんじゃないかと、いつも揶揄された。でも、その時を機会に僕は彼女とは会話をしなくなった。目も合わせなかった。そんな好きな人がいるのに、なぜ僕の告白に応じたのか、どういう神経をしているのか・・人間不信にはなりたくないが、彼女の顔を見るたびに心の傷が疼いた。顔を見るのも嫌だった。

 

彼女は、恋人としての関係ではなくても、以前のように仲の良い友人としての関係を続けられると思っていたようだった。彼女と口を利かなくなってから、半年くらいが経った頃だろう。仲の良い友人から、僕は言われた。

 

「彼女は、大事な友人を失ってしまったことをとても悲しんでいる。また、普通に付き合ってやってもらえないだろうか。彼女から頼まれたんだ・・」

 

僕は、大人げない態度を悔いた。そして、彼女とはまた元のような関係に戻った。結婚式の時に彼女から送ってもらったプレゼントは、今でも大事に使っている。