Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

共通項は開放性

組織で活躍する人たちの共通点は、『開放性』の高さ。

もともと仮説としては持っていたのです。学歴ではなく、職歴でもない。自律的に新たなことを習得し、調べてと言われなくても勝手に様々なことを調べて成果物を作ってくる。やったことのないテーマのプロジェクトについて、”やったことがないからできない”ではなく、やったことがないからこそ面白いと捉えてくれる。


僕の組織で性格特性(Big5)のアセスメントをやってみたところ、性格の因子波形はそれぞれ違うわけですが、活躍する人においては開放性が著しく高かったのです。開放性は、知的好奇心、芸術に対する興味関心、創造性に関係のある性格特性。自由や変化を好み、ルールに縛られることを嫌うという性質です。


ベンチャーのコンサルティングファームに来る人は、この特性が全社的に高いだろう・・と予見していたわけです。実際にそうであり、活躍する人も一様に高い傾向。類は友を呼ぶというやつです。


開放性は、大人になっても変わらない性質と言われています。20歳ころまでの家庭や学生生活の中で多くの価値観や経験に触れて育まれます。以降はほとんど伸びません。知的好奇心というのは、大人になってから”べき論”で言われても持ちようがないのです。


社会人になってから、クライアントやパートナー、友人など。自分となんとなく波長似ているな・・と思う人は一様に開放性の高さを感じます。こうした人は、固定概念に縛られず、問題意識をもって新たなことにチャレンジしてみよう・・と考える傾向にあります。

それが明らかになると、採用の際にはここをしっかり見極めることが大切。いくら、人事部の経験があろうが、優秀な大学を出ていようが、特性があっていないと伸び悩む・・ということになります。これは、当人の優劣の問題ではなく、単純に相性の問題だったりします。


「開放性」が低い人は、特定の領域を掘り進めていくことが得意だったりします。あまり、周りに目移りしないからです。


「人よりほんの少し努力するのがつらくなくて、ほんの少し簡単にできること。それがお前の得意なものだ。それが見つかれば、しがみつけ。必ず道は開く」朝の連続テレビ小説『エール』で、森山直太朗が演じる藤堂先生が主人公に言った台詞です。


運動も勉強も何もできない主人公は、この言葉を頼りに音楽の道に進んでいきます。自分の本質というものが、心理学の統計データを駆使することにより解像度が高く分かるようになってきました。これをしっかり活かしていくと、自分という人間の身の置き所が分かりやすくなります。もちろん、体でそのことを理解していく、不向きと思えることもやっておくことで後で活きるということもある。キャリアは、全て合理的に進めるものでないと思いますが。