Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

美徳の躓き

昔から組織の中でいくらポジションが上になろうが、家庭を顧みずに愛人を囲うような人間は侮蔑の対象でしかない。

 


会社の金を使っての長期出張を愛人帯同で行う。奥さんも息子さんもいるのに。そんなことをする輩は人としての風上にも置けない。

 


新卒入社した会社のトップとナンバーツーは、仕事ができるという次元とは別に先の行動から侮蔑の対象以外のなにものでもなく、退職を告げた際に受けた彼等からの引き留めの言葉も僕の心を何ら打つことはなかった。

 

 

 

組織・人事を専攻すると、その思いはますます強くなった。組織力とかリーダーシップとか偉そうなことを言う癖して、食事を支度して待っている人や子供がいる家に帰らず、独身者を引っ掛けて飲み歩く。外面だけ家庭を大事にしているように装う。人材のことを突き詰めて考えると、それは家庭での親子関係や教育に突き当たるのに。社内不倫などしていた日には侮蔑を通り超えて俗物の極み。

 

 

 

在るときの上司がまさにそういう行動を行っており、さらには相手の女性から僕が信頼を得ていたからと、仲を取り持つ依頼までされたのは、なんとも皮肉な運命のいたずら。

 

 

 

女性にうつつを抜かすようになってから、上司は明らかに気もそぞろで仕事をまともにやらなくなっていた。おおよそカルチャーフィットをしない後釜の人物を雇い入れ、マネジメントはほぼ丸投げ。それを見ていた僕は上司とはいえ、そんなくだらない要望を受け入れるはずもなかった。

 

 

 

紆余曲折で二人は同棲はしたものの、最終的には破局。男も男だが、不倫に走らせ相手が家庭まで捨ててまで一緒になったのに、過去から決別し、心のすべてを独り占めしないと気が済まないという女性も同じ穴のムジナ。最終的に不倫が発覚して、上司は地位をも失うことになった。

 


下劣な輩とはいえ、悪い女に引っかかった可哀想な人なのかもしれない。その女性は、ステディとして選ぶ相手においては、到底自分とは相容れないような人を選び、それで不幸な状態に陥ると今度は妻帯者の男性を好きになるという、魔性というか周りを不幸に突き落とす人であったから。

 

 

 

その一件で気づいたことは、生き方の美学というものとは別に、誰かに好意を持つというのは病にかかるようになるもので、魔性の女とは真反対にいる人間が、却ってその好意の対象にもなるということ。侮蔑の対象であった上司は、僕より先に石に躓いただけ。僕は運が良かっただけかもしれない。