Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

「失われたX年」やめませんか?

イタリアは長いこと経済が停滞している状況にあるけど、その状態をもってわざわざ「失われたXX年」などとは言ってない気がします。南北問題なんて今だに解消されておらず、南部の経済状態や犯罪率だって悪いまま。


日本は、なぜバブル崩壊後の期間を失われたX年などといつまでも呼び続けているのでしょう。この失われた30年というのは僕の社会人年数と全く同じ訳ですが、別に不幸な時代だったと思いません。確かに氷河期世代というものが存在し、正社員になる機会を奪われてしまった事は事実です。ですが、イタリアの失業率なんて5人に2人で日本の比じゃない。


要はものの考え方や見方の問題だったりすると思うのです。実際にこの国が持つ歴史や美しさ、素晴らしさを心の目で理解できていないからなのではないかと思うのです。現に多くの観光客が日本を訪れているわけです。その多くは、この国の物価の安さだけではなく、食事の素晴らしさ、四季の景色の美しさ、清潔でモラルが高く親切な人々が多いこの国に関心をして帰っていくわけです。それは、ヨーロッパの人がイタリアを好んで旅するところに少し似ている気がします。


学校、会社、地位、財力など相対的なことばかりを気にし、自分の人生や仕事を愛せない日本と食べることを楽しんだり家族や友人などとすごす時間を大事にするイタリア。この違いは宗教という普遍的な心の拠り所から来るのでしょうか。日本に必要なのは、経済成長や競争力の向上なんかではないと思います。