『組織は戦略に従う』アルフレッド・チャンドラーの遺した名言。大学の経営学では真っ先に教わる内容。そして、この言葉は企業戦略に留まらず、普遍的である。
組織というから少し分かりづらい。これを、配置陣形と捉えれば一目瞭然である。サッカーでも監督の戦略が変われば、陣形システムは変わる。そして、局面に応じて美しい陣形を維持できるチームは強い。僕の好きなスタイルは、イタリアだ。
配置陣形は、動く城ともいえるもの。美しい城は難攻不落で強いのである。強さを突き詰めていくと、形状の美に行き着くのが面白い。
戦国の名将は築城の名手であったことは、紛いのないことであるし、軍、スポーツの名将は、配置陣形をデザインする名手ともいえる。
さて、経営者において築城の名手とは誰だろうか?そもそも、築城の必要性すら理解していない人が多いようにも思う。そして、美しさを踏まえた設計の視点においても。
米国であれば、退役軍人が名経営者になっているケースは多い。日本でも戦後の発展を支えた人材は、元軍人であるケースは多い。伊藤忠の礎を作った瀬島龍三のように。彼らは、配置陣形の重要性に知悉している。
経営者でも突き詰めた人物は美術や建築に造詣が深くなるのも分かるのである。審美眼に欠けた人間は、陣形の頂点に立つには相応しくないしね。