Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

退職金という鎖

退職金という分銅付きの鎖になんて縛られたくなかったから、年金や退職金が手厚くて生涯年収の高い会社なんてものにはまるで魅力感じなかったな。


当たり前だけど、そういう会社のベネフィットに誘われて入った人は、50代ともなると与えられた仕事が気に入らなくても、退職まで会社に居残り満額をもらえることを指折り数えてしがみつくに決まっているわけです。結局それは、労働生産性と流動性を下げ、企業競争力を下げてしまっているわけです。個人においても限られた人生を無駄にする。


そもそも、退職まで居続けて欲しい人材というのは、製造業であればブルーカラーとホワイトカラーの幹部層のみ。ホワイトカラーにおける大半の人材は代替可能なわけです。ブルーカラーの技能工は、いつしか別会社や外部委託に置き換わり、終身で保持する必要のある人材は、今や企業の中にはほとんどいないわけです。そう、終身雇用を担保する上での退職金、年金制度は工業化社会における遺物といって過言じゃありません。


こうした中で年金、退職金のルールを国も企業も変えていかなくては、新たな産業構造の変化に対応出来ません。こうした中で退職金に対する税制優遇措置を改正するのは、遅かりし改革とも言えるでしょう。だいたいね、ジョブ型の報酬制度を入れているのに、年功で積み上がる確定給付型の退職金制度なんて不整合以外のなにものでもありませんしね。そんな会社は、基本給を押さえているのですから、中途採用の人材において魅力も乏しいですから。


解雇規制と賃金の不利益変更に関する規制についても新たなガイドラインを早々にだすべきだと思います。


先週末に高校時代の野球仲間に会ったのですが、だんだん世の中はプロスポーツの世界のように高い評価と報酬を基準に転職するのが当たり前になってきた・・なんて発言が出ていました。コンサルティング業界であれば、30年前においてすでに当たり前のことではありますが、知識労働社会の働き方において、国、企業そして個人の意識はまだまだかなり遅れている。退職金に税金をかけるの反対なんて言っている前に、とっとと良い転職先を見つけて変った方が良いと思うのです。急先鋒は変われない業界のマスコミの人たちですけどね。