夏の3ヶ月は山ほど提案書を書いた。異なるジャンルのテーマ群。特に立て続けに企画を書いた8月は、それ以外の提案やプロジェクトデリバリーが輻輳したこともあり、提案が一段落した後も暫く何も手につかない気分だった。もう一種のバーンアウト。
柄でもない高級時計でも買おうかと考えたり。本も読む気がせず、万年筆を手に取り、ノートに考えをまとめる事も急に出来なくなった・・企画書を書いているときは、せっせとペンをもってアイデアを書き留め、絵にしていたのに。
提案というのは、相手との相性もあるから全力で臨んだからといったって取れるわけじゃない。とはいえ、フルスイングでボールが掠らなかったときに体にダメージが残るように。空振りというのは一番応える。幾つか書いた提案でも3本のオープンコンペはどれも最終選考に残った。それ以外の提案も受け止めが良かった。後は相性とタイミング。
一つがインフルエンサーマーケティングで急成長しているコスメディックスカンパニーの人材マネジメント改革のオープンコンペだった。
普通に制度の提案をするのでは面白くない。リクルート、メルカリ、サイバーエージェント。HRMに強みを持つ複数の先進企業をモチーフに企画コンセプトを提案した。
人事制度とは、社員が毎日住む建造物を作ることに同じ。ゆがんだ建物に住んでいたら、人の心も歪んでいく。ESの低さは建物のゆがみが原因。出来合いのプレハブ住宅に住むのなら、安く早くできる。
等級・評価・報酬・・普遍的な3つの構造体をいかに整合させ、自分たちのDNAと思想を込められるのか。意味も分からず9等級とか止めましょう。数字には意味がある。理念を通したいのに、なぜ理念と整合しない評価制度にするのでしょう・・成長して欲しいなら等級定義と整合もさせましょう。そもそも、等級制度とは偉さの番付基準です。皆さんの会社の偉さとは何ですか?
そんなことをプレゼンの端々で話しつつ。プレゼン後もメールでラリーを続けていった。相手は、経営企画と人事の女性社員。会話の波長はすごく合っている気がした。4度目のメールの後に一文が添えらていた。
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そして、本題ですが、今回の評価制度見直しPJは、御社に発注いたします!
御社とのお打ち合わせでは毎回、多くの気付きや学びがありました。
そのお打ち合わせの中での会話のスムーズさ、会話の端々ででてくる言葉の親和性などを感じまして、難しいPJの遂行をともにするパートナーとして、全力で頼っていきたい!と判断いたしました。
これから長い道のりとなりますが、何卒よろしくお願いします。
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ビジネスなのにこういうやわらかい表現を遣ってくると感じるモノがある。さすがマーケティングで成長している会社の人事。大阪の人だからかな・・
そこの製品は、僕の妻や娘も使っているブランドなので、その話をしたらなんかえらい評判でした。部品メーカーとか大手工作機械とかは何の反応も無いのですけどね。新しい仲間と新しいクライアント。どんな仕組みにしていこうかしら・・