Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

数や形の意味するもの

数や形には意味がある。規則性や形の意味を無視すると、安定性を欠く

 

先日、理系のクラスメートから強く感じたのが、このことだった。最初は、変わった人がいるものだ・・位に捉えていたのだが、数や形というものを意識してみると、彼らの捉え方というのは、間違えていないと思う。

 

例えば・・だ。街の交通標識を意識しながら眺めてみる。丸の場合、正三角形、逆三角形、菱形、長方形・・・静的なメッセージの場合は、長方形。動的なメッセージや警告を送る場合には、丸、菱形や逆三角形。これらの形に色(黄、赤、白、青)を組みあわせ、見る者にメッセージを送っている・・ということに気が付くのである。(色のメッセージは結構わかる人である)

 

また、数や形に加え、建築(アーキテクト)という観点で自分の仕事を眺めてみる。僕の仕事は、建築ではないのだけど、目に見えない建築は数多く手掛けている。例えば、人事制度。

偉さの格付けを示す等級。7等級、6等級・・そもそも、その数にはどのような必然性があるのか?基本的に、組織の大きさや仕事の遂行の仕方によって、その数は変わるはずである。自衛隊の等級は16。日本最古の等級制度は、聖徳太子の冠位12。その数は、偶々で作られていない。明確な思想、組織や職務遂行を効率的に行う組織アーキテクチャの哲学無くしては成立していないはずである。

 

ところが・・だ。企業の等級制度においては、アーキテクトの思想哲学が通っていないものが多い。等級に人数を当てはめて形に転換してみると、ピラミッド型ではなく菱形になっていたり、キノコ型になっていたり・・と醜い建造物のオンパレードだったりする。数の意味も誰も答えられない。

 

職能から職務等級に変えたのに、なぜ等級数が同じなんですか?


組織サイズが同じでも、製造業とサービス業で、等級数は変わるべきなのではないですか?
外部労働市場から、人材を調達することを旨としていないのに、どうして管理職の等級数が7つもあるのですか?

 

結局、人事をつかさどる人間において、形や数の意味というものに無頓着な人間が多いから、美しい建造物にならなかったりするわけだ。醜い形状の組織に会する人間からは、醜いアウトプットしか出てこない。働き方改革の前に、この醜い組織アーキテクチャを変えるべきなのかもしれない

 

経験を積む40代以降にでもなれば、異質な人間との会話より学べ・・と言ったのは『思考の整理学』を著した外山滋比古さん。たった、数時間のことだけでここまでの学びが得られるのだ。にしても、異質な人間との会話というのは、本当に貴重なものだなと思う。