Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

学ぶことは変わること

経済衰退に陥る日本を英国の歴史から読み解く先生の講義。聴講のために久しぶりに大学の門をくぐった。

 


英国はかつて著しい経済停滞に陥り復活を遂げた。一方の日本は出口が見えない。

 


英国が復活した理由は、グローバル経済、IT(サイバー)経済、金融(マルチプル)経済において主導権を握れたことにある。日本においては第二次産業の実体経済のパラダイムから全く抜け出ることができない。

 


英国は格差社会で国民一人一人の学力や就業機会は日本より完全に下。これは国民総第一線の工業化社会では完全に不利だった。一方で金融やITが主体となる社会では、一人一人の平均値の高さよりも、群を抜いたテクノクラートが生み出すレバレッジが平均の総和を凌駕する。Society4.0,5.0とゲームのルールが変わったことで英国の不利はある意味でかき消された。

 


日本の画一性の高い教育システムや労働流動性の低さは、Society3.0において明らかに優位性があった。これがSocity4.0,5.0ではマイナスにしか働かないのだ。そして、30年も同じ会社にロックインされた人材は、視野もスキルも硬直性が高く、オープンイノベーションとは真逆の世界。

 


Society5.0で復活をしたいのなら、学校教育の段階から綿々と行われている年功序列を崩し、雇用の流動性を高め優秀人材への傾斜投資をするしかない。だがそれで復活できても韓国のような超絶希望格差社会が生まれてしまう。政治やマクロ経済を操る人間としては、マジョリティの弱者を向いて物事を考えていかざるを得ないのだろう。

 


結局、日本がたどっている道は分かっていても駄目になる道を敢えて手を携えて歩んでいるのだけだと思う。それが分かっていたら、自分の頭でものを考え、人と違うことを独りでもしていく勇気が必要。

 


そのためには生涯学び続けていくことしかなく、ゼミ生が集う場は酒を飲んで懐古に浸ることではなく、オープンな学びに軸を置きたいという先生の主張は的を射たものだと僕は納得したのだった。

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