Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

DXと労働生産性

日本の労働生産性は米国比の60%という数値であり、今や韓国よりも低い。G7中で最下位という体たらく。結局、日本においてはデジタルトランスフォーメーションではなく、既存のビジネスや業務を前提としたIT化しかおこなわれていなかったことの証。

 


どうしてこうなるのか。それは、人材の流動性・専門性が極めて低く、固定的な人員と固有業務を前提とした改善しか日本企業はできていないということ。

 


みずほ銀行のシステムトラブルも、ITシステムが合併行同士の覇権争いに担ぎ出されたことが未だに尾を引いているといってもいい。だいたい、銀行の機能など端から見て変わらないのだから、無理に統合する必要もないし、片寄せすることもなく新たなプラットフォームを作ればよかっただけのこと。それぞれを尊重して複雑に組み合わせたから、サグラダファミリアみたいな迷宮の長物になったのだろう。挙げ句にシステム休止やトラブル続き。

 


結局、日本におけるIT活用というのは90年代のBPRの時と同じで、非連続的かつ抜本的にビジネスを変えるのではなく枝葉や表層的な効率化にしか寄与できていない。これがいよいよハッキリしてきたように思う。

 


原因はDX人材がいないからというだけではなく、変わることが難しい社員の雇用と賃金をそのままにして変えられることだけトライしようとするから。

 


変えるというのは、対面販売を行っていた支店と社員をすべてスクラップにした松井証券のようなことをどこでも本当はやらなくちゃいけない。でも、サラリーマン社長は仲間に弓を引くのが嫌だから英断を下さない。

 


不可避の時は、日産や三菱ケミカルのように外国人社長を外から連れてくる。異人のターミネーターがくれば角が立たず改革が行える…メンバーシップ雇用の最大のアキレス腱は、同質性のトップは自己否定ができないし経営のプロになれないということに尽きる。

 


戦後の日本が急成長したのは公職追放で、古いパラダイムに染まったベテラン役員が追い出されていなくなったことが功を奏したという。

 


そうなると、DXを推し進めて低レベルの労働生産性を変えていくには、長く同じ会社に勤め上げ、村の論理で祭り上げられたトップが牛耳る会社では駄目ということ。それは身の回りを見ていてもわかる。それを考えると最近の若手で優秀な人がスタートアップに行くのも納得できるし、その方が良いと思うのですよね。