Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

キャリアインタビュー

とある会社の上位ポジションの方々に連日、インタビューを行っています。役員陣などざっと50人以上。仕事柄インタビューをすることは多いのですが、短期間にこれだけの人数を行うのは初めてだったりします。


目的は、幹部に必要な経験、コンピテンシーを明確に言語化、データ化したうえで、将来そのポジションを担う人材を見極め、計画的ローテーションを行っていくための仕組みづくり・・いわばタレントマネジメントです。


タレントマネジメントは、システムを導入することばかりに企業は目が奪われがちですが、『キーポジション』の人材要件を実在者の情報を踏まえて明らかにし、候補者となる人材をデータドリブンで明らかするデータ基盤を作ることが大事なのです。


これは、野村監督が提唱したID(Important Data)野球と同じく、戦略人事を行うために重要データを収集して整理することにあります。IDHRとでもいえます。


これを行わずシステムを入れてから考えようなど愚の骨頂。


以前の会社もそうですが、高価なシステムを購入させてとりえあえず既存の人事データを単純に放り込ませ、あとは自分でなんとかしなさいよ・・という極めて杜撰な商売を行っています。僕はこういういい加減な商売をすることは許しがたいのですよね。


動くソフトのないパソコンを売りつけるようなものですから。


この会社でも異動経歴書などは人事システムで管理されてますが、まず使い物になりません。ビズリーチに放り込んでも誰もスカウトをかけてこない。ですから、インタビューでその人の『経験』を丹念に拾い上げていきます。しかし、新卒入社で同じ会社で働いてきた人は職務経歴書を全く整理してないのですよね・・やれやれ。


インタビューは骨が折れる作業ですが、過去の修羅場やそこをどう乗り切っていったか、陰に埋もれていた貴重な成功体験などを丁寧に話してもらうと、皆さんまんざらでもない反応です。アレンジしてくれている人事部長さんからも、「意外と皆さんインタビューを楽しまれているみたいですね・・」というフィードバック。


単純に聞き出そうとしても相手は心を開いてはくれない。いかに相手の経験価値を第三者的に解釈し、それを適切に伝えていくかがポイントになります。上手くいくと相手はこいつ分かってるな・・さらに進むと、自分ってそういう意味のあることをやっていたのだ・・と思ってくれます。半分くらいカウンセリング的な要素もあります。


これまではキャリア研修を設計、開発するケースが多かったのですが、会社の未来を作る仕組みづくりにおいてもキャリアカウンセリングの経験、知識を活かすことができるのは、思いもつかなかったことでもあり。人生って面白いなって思うのです。