Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

働きがいはリーダーの責任

働きがい=仕事のやりがい+働きやすさ

 

仕事のやりがいとは、手ごたえのある困難さをもった仕事を与えられ、そこから成長やフィードバックなどを通じて内的報酬が与えられることで生じるもの。一人一人の能力が最大限に生かされ動機づけされている状態。


働きやすさとは、信頼感、心理的安全性に根差した円滑なコミュニケーション、関係性の良い協力的な組織、ワークスペースなどの就労環境や労働時間などの労働条件、賃金水準などハーズバーグの衛生要因とでもいえるもの。


GPTW(Great Place to work)における定義は、マネジメントと従業員の間に信頼があり一人一人の能力が最大限に活かされている、優れた価値観やリーダーシップがあり、イノベーションを通じて財務的な成長を果たすことができる会社だとしています。


ネットやSNSが発達した現在においては、”働きがいのある会社”という対外認知がないことには、優れた人材は集まりようがありません。集められたとしてもすぐに見限られるのがオチ。集められるのはどこにも引っかからない、市場価値の低いモチベーションの低い人材だけということになってしまいます。それで組織が成長なんてできるわけがありません。


働きがいは”従業員の評価や口コミ”を指標化することで可視化できます。OpenworkやGPTWスコアが低い会社は従業員が”働きがいが低い”と言っているわけで、報酬水準も低かった日には、優れた人材は敬遠する組織と言えるわけです。


社員意識調査も働きがいを向上させるための手段ですが、毎年調査を行っていたとしても、結果を従業員に開示しないというのは、マネジメントと従業員との間における「信頼」形成において完全にマイナスであり、不都合な情報を隠蔽しようとしている独善的なトップでありマネジメント陣であると見なされるのがオチです。


そもそも、GPTWや社員意識調査のスコアは、経営・マネジメント陣の通信簿といってもいいもの。悪かったら改善か交代をしてもらわないと困るわけです。Googleは実際にそうしています。正しいですよね。改善か交代という手段を取るつもりがトップにない会社において、社員意識調査は行うだけ無駄だったりするのです。


「働きがい」のある会社はそうでない会社より、投資累積リターンが3倍の結果だったという結果がフォーチュン調査でも出ています。財務業績における「先行指標」でありHRのKPIといってもいい。


Openworkなど働きがいの対外スコアも低い、報酬水準もさして高くない、ESも開示しない。真実に目を向けず、いい人材が集まり、持続的な成長や圧倒的な業界認知をされる会社を目指す..なんて言っている人を見ると、あなたの存在自体が問題なんだよと思ってしまいます。