Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

緊張感あっての心理的安全性

心理的安全性はとても大事だと思うのですが、Googleにおける心理的安全性と、特に日本企業における心理的安全性は、唯一無二の妙薬のような扱いをすることが間違えているように思います。

 


そもそも、採用を厳選し入社した社員においてはパフォーマンスについて多面観察やエンゲージメントサーベイによってタイムリーかつしっかりと見られているGoogleにおいては、個々がプロとしての緊張感に常にさらされている訳です。こうした環境においては心理的安全性はパフォーマンス発揮において大事な要素だった…と解釈すべき。

 


マネジメントがまともにできておらず、中心化、寛大化評価が常態的になっている日本企業の多くにおいて、心理的安全性が大事とか言っているのって極めておかしいと思います。大事じゃないとはいいませんが、その前にやることあるはず。これ以上のぬるま湯にしてどうするのかしら…

 


OKRがMBOの派生形だということも分からず、MBOがうまくできていない会社がOKRを導入しようとするとか。へんてこりんな事ばっかり。

 


米国発の人事システムを礼賛する前に、向こうの労働市場の実態だとか、人材マネジメントシステムの全体像を理解した上で枝葉の理論を持ち上げるなり、推奨するなりしてほしいもの。そんなことだから、日本の労働生産性は米国比の60%という低迷を長く続けているのだろうと思います。