効率性、信頼性、妥当性を追い求めていく。一見、正しいことのように思えます。今の現代社会は、この要素を突き詰め続けているものといえます。
一方で物質的な豊かさや利便性とともに精神的な豊かさは享受できているかというと、全くそうではない。むしろいつも何かにせき立てられ、何かに怯え、心を病む人が増えています。
先日、ある人たちと話をしていたのですが、その組織は効率性、信頼性、妥当性を厳守するために行動指針を定め、180度評価を導入し、相互のモニタリングをする仕組みを入れたのだそうです。信頼性、妥当性、効率性を組織として担保し、適正な利益をだし、公正な評価を行うことで、顧客に選ばれる真っ当な組織になるためです。
この取り組みの結果起きたことは、利益率の低下、組織エンゲージメントの低下、果ては離職率の上昇でした。この結果の時点で、リーダーシップの欠落が大きな問題なのですが、そこには言及せずに綿々と統制に向けた活動を続けているのです。
人に対する『関心』『愛』のない人間は、戒律を定めそこに従うことこそが正しい人間のすることだと考えます。ですがそれによって起こることは『怖れ』の感情です。
『怖れ』の感情は人の能力の覚醒、行動を抑制します。結果も出ない。Googleはそれを『心理的安全性』の確保だと看破しました。
一方で人に関心のない『学校秀才』タイプがこういう愚かなマネジメントをするのですよね。反面教師はほどほどにして、自分はそういう組織作りは絶対にすまい…そう思います。