Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

越境体験がもたらす専門性

働く上で専門性を身につけていくことの必要性や重要さを否定する人はいないと思います。一方で、専門性とは目的ではなくあくまで手段ですから、目的を間違えていると価値を持ってこない。


目的とは、「与件に基づき正解を導き出すための専門性なのか?」それとも「正しいことは何かを考え、解を創出し出口に導いていける専門性」のどちらなのかということ。


社内で漫然と経験を積むことで身につけられる専門性とは、しょせん前者でしかありえません。与えられた条件において正しく、効率的にタスクをこなす上で必要な専門性。でもその専門性は社外で通用しないことがほとんど。ですので、同じ与件が保証されている同じ組織に留まることに拍車がかかります。慣れてくることによって手抜きも起こる。ひいては、雇われる力(エンプロイアビリティ)も低下します。


間違えた認識のもとに、専門性を身につけたのにどこにも通用しない、市場価値も下がるという現象に多くの人が突き当たっているように思います。


正しいことは何かを考え新たな解を導き出す力は、異なる与件に数多く向き合っていくこと。別の言い方でいえば、「越境体験」を数多くこなすことだと思います。

 

それは、本人の本質的な専門性を向上させるだけではなく、相手や取り囲む社会にも利をもたらしていく。法政石山先生が言うように越境体験は、相手も自分もWin-WIn、さらには「三方良し」になる可能性を秘めていると言えそうです。