NHK BSプレミアム「養老先生・ときどきまる」をみていて感じたこと。
何かを欲して手に入れた時の喜びには脳内化学物質のドーパミンが関係している。これは単なる快楽物質ではなく、予期されない報酬の際にのみ活動する。想定内の報酬においては作用しない。恋愛の初期段階においては、ドーパミンが作用しているし、SNSなどに人がハマるのも新たな情報に対してドーパミンが作用する。気をつけないと依存状態になってしまう可能性がある。ドーパミンは平穏ではなく嵐だから。
それ以外にも脳内化学物質はあり、セロトニンやオキシトシンがある。これらは、Here&Now(今、ここ)の状態に作用する。人が本来の幸福感を感じていくためには、ドーパミンの世界からHere&Nowの世界に移行していくことが大事。
仕事においても同じだと思うのです。新たな探索を繰り返して自分の可能性を拡げていく、好奇心を働かせていくためには「ドーパミン」がカギになる。ただし、そこに昇進・昇格や外的な承認という報酬でドーパミンを作用させすぎると、その限界にぶつかることになる。下手をするとそこで引きこもりや鬱になってしまうかもしれない。できれば、内なる冒険にこそ「ドーパミン」のエネルギーを活用したい。
合わせて大事なのは「Here&Now」の世界にどれだけありがたみを感じることが出来るか。ここがないと心が安定していかない。
座禅、茶道、マインドフルネス・・
これらは、「Here&Now」の世界に軸を持ち、自分の心を見つめ受け容れ、肯定していくための所作。
人は何事にも意味を求めたがるものだけど、実は意味なんてないことが多い。神様から与えられた経済的なところに還元される「Gift」なんてものも誰にも備わっているものじゃない。だから、この世界を突き詰めていくと苦しい。自尊感情がどんどん低くなる。
そうじゃなくて生かされている、今ここにいる自分を素直に感じ取り、喜びを見出していく。そこには経済的観念も相対性の世界もまったくない。動物・・猫の目線・・神は一人一人を特別なものとして創り給うた・・の本質はタラント(Gift)を土から掘り出して増やすことだけではなく、こっちなんじゃないかな。