Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

二元論で進路を決める罪

一流大理学部化学科を卒業し、そのまま大学院に進学。ただし、研究室推薦やメーカーでの技術系職種には一切応募をせず、組織人事系のコンサルティングをわざわざ選んだ。こういうパターンは少なくないが、それでも特異な進路選択。

 


高校から大学院まで学んできた高等数学や応用化学といった世界には全く無縁のこの仕事。なんで、わざわざ過去の延長線上でない仕事をあえて選んだのか。

 


・そもそも理系の学問というものが、好きとか嫌いとかいうのではなく、親と学校の期待に添って選択をしただけ

・大学院も周りがほとんど選択するので進んだが、全く楽しくなかった。だから、教官や周囲ともあまり関わらず学生時代を過ごした

・自分の専攻であれば、大手メーカーはどこでもいくことはできたが、人の期待に沿って生きるのは止めようと。そこで、コンサルティング、組織人事に目をつけた

・大手メーカーの人事部に務める父親には、PwCにいくと嘘を言った。名の知れないベンチャーコンサルは反対するに決まっているから

・大学ランクや理系・文系と単純に振り分けする仕組みの中で自分は犠牲になってきた。そういうものが起きない世の中にしていきたい

 


僕のように憧れで選んだ国立理系工学志望でドロップアウトし、文転経営学科専攻となった身からすると、好きでもないものを大学院まで修めることができる忍耐力と能力に感服する訳なのだけど。

 


明らかに向いていないと断絶されたからこそ、本来の自分の道を早い段階で見つけられたわけで、僕はある意味幸運だった。不器用だから合ったものを早くに見つけられた。

 


科目の得意不得意で理系、文系を振り分けてしまう進路指導。さらには有名大学に入ることをよしとする旧態依然としたスタイルというものは、40年前も今もあまり変わっていない。

 


Industry5.0(デジタルエクスチェンジ)の時代にあって、もはや理系や文系という区分けは産業構造と合わなくなってしまっている。データサイエンスなんて完全に学際領域だし、プログラミングなんて共通的に必要だったりする。

 


学問に対する興味関心というのは、理系と文系という二元論で分けられるものではない。本来は境界を設けずに好きな学問を修められればよいのだが、受験科目というのがそれを邪魔する。

 


僕の場合は、理系科目には不得手が多かったけど、数学では確率統計、理科では地学がとても好きだった。高校の自由課題研究では、工学志望で物理と化学を選択していたのに、台風の研究をした。地学の先生が好きだったこともあるのだが、先生は変わったことをする生徒に苦笑するしかなかった。

 


現代文や地理は得意。これらの点を繋いでいけば、経営学であったり組織人事における素養はあったのだと思う。

 


今や時代は大きく変わったのだから、入試システムや中高での履修の仕方というのも、変えていくべきなんじゃないかな。そうじゃないと世の中とズレまくりだよね。