この仕事の面白いところは、無理難題を解決すると専門性が身につき、また無理難題を相談されて専門性が身につくサイクルの繰り返しであること。
よって専門性の獲得や成長のポイントは、無理難題をなるべく引き受けていくことにある。ここが分かっていない人は、無理難題はハナから受け付けないし、慣れた範囲の仕事しか引き受けない。
でもってストライクゾーンの極めて狭い、起用局面が限られる使いづらいエキスパートになってしまう。こういう人が間違えて上位ポジションにくるとどうなるか?
顧客の要望や課題をいつも自分の十八番で裁こうとする『ハメワザ』しか繰り出せない。今どき顧客も馬鹿ではないから、『ハメワザ』しか繰り出さないコンサルタントに問題解決は依頼しない。
僕が思うに無理難題を避けようとする人は、その道を極めていこうとする職務への忠誠心が希薄なのだと思う。報酬を稼ぐとか肩書きを得るための手段くらいにしか位置づけていないから、専門性や成長の機会として無理難題を捉えられないのだと思う。すぐにできない理由の御託を並べる。
プロフェッショナルは、約束したことを確実に仕事をする人という意味ではない。本来はその分野に忠誠を尽くし精進をし続ける人であるということなのだから。