事業戦略を考える際に、企画系の人たちがよく口にする「ブルーオーシャン」という言葉がある。
競合がひしめき合うレッドオーシャンで戦うのではなく、競合がいないブルーオーシャンを見つけそこで事業展開すべきだ。そうすれば利益率も高くシェアも取れる・・さて、どこにブルーオーシャンはあるのか?というものである。
僕は、ブルーオーシャンというのを軽々しく口にする人が嫌いである。アイデンティティや志があればそれを貫いていけば、それが結果としてブルーオーシャンになるだけであり、最初からそこを求めている人においては、アイデンティティも志もまるで感じられないから。
そもそも「ブルーオーシャン戦略」というのは、日本ではなぜかありがたがっている人が多いが、米国ではさほど注目されていないとも聞く。それもそうだ。人が何をどう言おうが、小さいころからアイデンティティを明確に意識し、貫いた結果がブルーオーシャンであり、最初からブルーオーシャンを見つけ出そうという発想は、向こうの国民性からいって合っていないと思われるから。
だいたいブルーオーシャンを探し出そうと血眼になっている企業は、理念なき企業であり、口にする人も出世するための手段として事業を考えている程度の人間なのである。
いつまでも見つからない青い鳥を探す前に、自分の存在意義を見つけてくれよ・・と思ってしまうのである。