Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

学習スタイルと学習力

最初に知っておくべきことは、読んで理解する人間か、聞いて理解する人間か、ということである。ところが、世のなかには、読んで理解する「読み手」と、聞いて理解する「聞き手」がいるということ、しかも、両方である者はほとんどいないということを知らない人が多い。

 

 

仕事の仕方について知っておくべきもう一つの側面が、学び方である。…チャーチルのように、書くことによって学ぶ人たちがいる。メモを取ることによって学ぶ人たちもいる。…さらには、実際に行動することによって学ぶ人たちがいる。また、自分が話すのを誰かに聞いてもらうことによって学ぶ人たちがいる。

 

 

自己の学び方がどのようなものであるかは、容易にわかる。得意な学び方はどのようなものかと聞けば、ほとんどの人が答えられる。しかし、それでは実際にそうしているのかと尋ねれば、そうしている人はほとんどいない。(P.Fドラッカー

 


ここでドラッカーが言っているのは、学習理解における特性タイプです。

 


1.他者の話しを聴くことで学ぶ
2.他者の話しを観ることで学ぶ
3.自分が話すのを聞いて学ぶ
4.自分が話すのを観て学ぶ
5.他者の言葉を読んで学ぶ
6.他者の言葉を書くことで学ぶ
7.行動という経験で学ぶ

 

人それぞれ特性は異なり、その人にあった学習法を採ることが重要だということ。ここを間違えるといくらインプットを多くしても何も残らないということになります。

 


僕の場合ですと6と3です。書いたり話したりすることで学んでいくのが苦もなく、記憶の定着もとてもいい。学校の授業では、エッセーを書いたりプレゼンテーションが要求されるスタイルの授業がとても好きでした。僕の学び方に合っていたのだと思います。インプットとアウトプットを繰り返していく学び方です。一方で駄目なのは、1と5だけの学習法。それが分かっていなかった中高時代は学力が低かった。

 


今でもこうしたところにせっせと書いているのは、自らの学びの側面もあると思います。

 


とはいえ学習力という観点に立つと学びのスタイルだけで決定されるものではありません。新たな物事を求める探求志向性と得た情報から本質的なモノを見抜いていく洞察力が合わさって学習力になります。

 


探求志向性は、車のエンジンでいえば動力源となるガソリン。洞察力は動力転換効率性。学びのスタイルはエンジンタイプになります。

 


ガソリン量が少ない人は、いくらいいエンジンを積んでいても走らない。いい学校を出ていても、いまいちという感じの人。物覚えは良くても、問題解決のヒントを得る洞察力がなければ、ただの百科事典。

 


松下幸之助さんや本田宗一郎さんは、学歴よりも自らの学び方をよく理解し、探求特性と洞察力がズバ抜けていた秀でた学習力を持った人だったのでしょうね。