Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

成長主義はオプティミスト

成果を出すことに拘りが強いと、獲得した経験やスキルを前提とした働き方をせざるを得なくなります。そうした働き方は不確実性を減少させる反面、窮屈で退屈なもの。

 


何より、自分の中にある可能性の芽というものを伸ばす機会を無くしてしまうことは人生における最大の損失であったりします。

 


人は、機械のようにスペックに基づくアウトプットが確定した存在ではない以上、成果主義よりも本来は成長主義の視点で考えていく方が個人も組織も輝き続けることができるはず。

 


一方で成長主義の視点に立った採用や評価というのは、運用がとても難しい。少なくとも人は過去はさりとて変わりうる存在であるという信念と隠された能力を見出し、引き出すことのできる人間がマネジメントに就かないとね。

 


司祭や教師とまではいかなくても、その意識を持ってマネジメントに臨んでいる人がどれだけいるのでしょう。少なくとも、性悪説の視点に立った上で『インテグリティ』を標榜する人においては、その資質はないように思います。

エンゲージメントサーベイの限界

体重計に毎日乗るだけでは理想の体は手に入らない。
そんなこと、誰もが知っている常識。


同じことでエンゲージメントサーベイをするだけで、仕事にやりがいを持つ社員が増える訳がないということも常識のはず。


エンゲージメント向上対策のためにサーベイを導入しました・・というのは、「家には体重計があって風呂上がりに毎日測っています」と言っているだけなんですよね。でもって、乗っかっているその人は、腹が出っ張っておよそ筋肉質で均整の取れた体でも何でもない。何のために測っているんでしょうね。


無駄無駄・・


そもそも、メンバーシップ雇用の日本においては、組織ロイヤリティはある程度あったとしても、目の前の仕事は主体的に選んでいない場合が多いので、ワークエンゲージメントが低いのは当然と言えば当然。新入社員が配属後にエンゲージメントが下がる理由もそこです。でもって、画一的なマネジメントを行なってプロモーションというニンジンだけで人を動かそうとしているのですからね。


ジョブ型雇用、大いに結構だと思います。


ただし、能力のみならず「動機」のない人はジョブ型雇用で採用したらだめですよね。そんな人を採用後にマネジメントで動機付けして働かせるなんて、間違えています。


僕は採用をするときにはなぜ転職をするのか?なぜこの仕事を選んだのか?この仕事で成し遂げたいことは何か?


という動機だけはみっちり聞くようにしています。これが希薄な人に入ってからワークエンゲージメントをさせるようだなんて、無駄骨だったりするからです。でも、学歴とか職歴にころっとだまされて採用する人いますよね・・・HRの専門家を称する人でもこの基本的な間違いを犯してしまう。


そのツケは、ブーメランのように自分に返ってくるのです。あなたの部下はエンゲージメントが低い。マネジメントの問題ではないのですか?とね。以前のところではこの現象に痛いほど出くわしました。これこそ、お互いの不幸だったりするのです。


一つの結論。エンゲージメントを上げるためには、採用手法と採用時点での見極めがとても大事だということ。でもこれはエンゲージメントサーベイをするだけでは導けない打ち手ですね。

80年代歌謡曲が好き

娘は就活の自己紹介で趣味の欄に『音楽を聴くこと 80年代J-POP』と書いたらしいのだが。

 


『どんなアーティストが好きなのか?』

『何で聴くようになったのか…』

 


とそこだけは突っ込んでよく聞かれたそうな。

 


「お父さんがきっかけで…山下達郎稲垣潤一松田聖子中森明菜とか」と答えていたらしいのだけど。(ちなみに僕は中森明菜はそこまで聞きません)

 


Around50の管理職辺りの人からは親近感持たれて良かったのかもなあ…と思うわけです。彼女の友達は、同じような趣味の人はいないらしい。

 


小さい頃から、車で一緒に出掛けるときは音楽いつもかけてますからね。いまでこそシティポップとしてブームですけど。とはいえ、息子達はJ-POP80'はそこまで興味がありません。一人は、オフコース。もう一人の子は尾崎豊が好きですが…

 


ティーンエージの時に聴いていた曲は、一生聴いていく曲。孫の世代にも引き継がれるかもしれませんね。

エンゲージメントの未来

僕が働く会社は設立7年目の新興ベンチャーだ。大手外資ファームを中心に枠のない自由な働き方を志向する人材が多く集っている。エンゲージメントが高い社員が多く、GPTW(働きがいのある会社)で5年連続ランクインしている。

 


オフォスレイアウトも斬新で、ユニークな取り組みの一つがラジオ放送の番組枠を持っていること。

 


組織・人事系はまだまだ立ち上げフェーズなのだが、僕が入ったこともあり、ラジオのテーマに『エンゲージメントの未来 モチベーション3.0の実現』と置いてトークセッションを行うことになった。ゲストは、Newoneの上林さんとミツカリの表さん。前者はエンゲージメント向上を目的にしたマネジメント研修、後者はパーソナリティアセスメントを提供している。

 


上意下達の画一的なマネジメントを変えるとともに、客観性を持ったパーソナリティを踏まえたマネジメント、人材配置をしなくては、世界でも最下位レベルのエンゲージメントは変わらないね…というのが要諦。

 


僕は、もはやモチベーション2.0の世界に染まり続けたミドル・シニアに時間とお金をかけるのは程度問題だと思っている。日本企業の問題は、『損切り』ができないことにあり、この文脈においては大きなテーマであるのだが、大手企業が腫れ物に触るように丁寧なアプローチをすること自体が、パラダイムシフトが起きない根本原因だったりする。

 


日本において必要なのはイノベーションであり、可能性のある若手を中心にパーソナリティを客観的に把握した上で配置、目標設定をしていくことが大事なことだと思う。はっきり言って研修など10%の世界で、残りの90%を変えないとね。

 


入社後の新入社員においては、入社時がピークのエンゲージメントは、時間経過とともに低下していく。これは、研修では解決ができない。エンゲージメントのメカニズムを踏まえれば、与える仕事や職場、上司の問題なのだから。

 


それと同時に問われるのは、仕事選びする若手のマインド。会社選びのパラダイムから未だに抜け出せていない。会社選びではなく、ジョブ選びにすれば覚悟も少しは決まるだろう。(企業にも問題があるが)会社にロイヤリティなんて持たせるより、ジョブにエンゲージをさせる就職にならないとね。

旅で過ごす時間

引っ越してきたばかりの頃、初めて家路に向かう道が長く感じるように。旅行の一日も普段の一日と全く時間は同じなのに長く感じるものだ。

 


その理由は、真新しいモノを見る新鮮な刺激に溢れているから。だから、1年があっという間に過ぎていくという人は、新しい刺激のない毎日を過ごしていると言っても良いだろう。

 


慣れた環境を一新し一月半が経とうとしている。新たな領域を理解するために、多くの書籍に目を通し、企画書を何本も書いた。思いついた事をノオトに書き留め、インクとページを多く費やした。

 


時間はとても長く感じる。楽ではないけれど、充実した毎日を過ごしている。

 


人生は旅だ。限られた時間の中で新たな景色と自分に逢えるのであれば、成功や失敗という概念ではなく、新たな旅に自身を投じるのは全く悪くない。苦楽を伴にする相棒がいるならなおさらにね。

相対性の彼方

人には様々な潜在能力が埋もれている。だから、一つのことに習熟し、そこに満足をするのではなく新たな可能性を常に模索し挑戦していくべきだ。

 


年齢を理由に模索を止めてしまうことは簡単だ。一方で幾つになっても模索をし、新たな転地を見いだす人もいる。周りから見たらドン・キホーテのように映るかもしれない。でも、本人の中では筋が通っている。

 


いい歳をして何だよ…と人目を気にし怯えながら生きているのは、挑戦する人を嘲笑うことでしか自尊心を満たせない卑屈な人。

 


人は挑戦する姿に美しさを見る。だから、オリンピックは見る人に勇気を与えるし、池江璃花子さんのようにドン底から復活した人に心からのエールを送りたくなるのだ。

 


だったら、なぜ自分が挑戦しないのか。もしかしたら、それは相対的な世界観の中での失敗、成功という価値観にずっと縛られているからかもしれない。

 


ジョブズはいいます。

 


自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。

 


そうです。自分が死んでしまうという究極の状況においては人目を気にして成功にすがるのは全く意味を持たないことなのですよね。

Linkedinの可能性

リストラや急激な業績不振などによって、50歳を過ぎてから突発的な転職先探しを迫られると、たとえ実力ある人でも本当にヘビーな局面に立たされます。

プライドを捨てて過去の付き合いを洗い出す。indeedで企業サイト求人を検索して応募する。LinkedInで気になる経営者とつながり、自然な形で自分を売り込む。

自分が必要とされる場所を見つけるために、あらゆる手段を使う必要があります。

人材ビジネスから見たLinkedInの真の強みは、「企業やエージェントが人を探す」一方通行のリクルーティングだけではなく、「求職者が企業にアプローチできる」双方向性にあると思います。

これができるツールは、有史以来まったくありませんでした。今まで不可能だったマッチングルートの開拓、という観点で、LinkedInに大きな可能性を感じています。(黒田真行氏 Linkedinコラム)


これは、僕も全くの同感です。中高年のキャリア形成においては「人脈」が大事ですが、Linkedinは仕事を獲得するための有効な人脈ツールとなり得るからです。


これまで転職、転身を図る際には「エージェント」を使うのが一般的でした。僕も20代の時に最初の転職を考えた際には「エージェント」を使いました。「イムカ」という会社でした。その後もヘッドハンティング型のエージェントなども使いましたが、どちらにしてもエージェントはあまり頼りにならないというのが率直な実感だったりします。企業のことも大して分かっていないし、自分自身の持ち味や志向性もどこまで分かっているか甚だ怪しい・・と。


彼らは「すぐに売れそうな人材」を相手にして「持っている弾となる企業にとにかく当てに行く」ことしか志向していない。これが分かって以降は直接行きたい企業に採用サイトで申し込む、リファラル、ダイレクトスカウトに応じていく方が納得感の高い企業選びができると思うようになりました。採る側も採用コストが低いので喜んでくれるし。


50代にもなるとエージェントに登録したところで、鼻から相手にしないところも多かったりします。人を年齢で判断するスタンスのところなんて、行くだけ時間の無駄でしょうし大した力もないのです。


かつては、百貨店にいかないと様々なモノを買えなかった時代は終わり。今やネットで直接多様なモノが変える時代。


仕事探しもまったく同じです。力の低いエージェントは今後どんどん淘汰されていくでしょう。僕が最初に使った「イムカ」という会社も老舗の人材紹介企業で内幸町にオフィスを構えていましたが、2014年に破産してますからね。