Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

苦手科目が役に立つ日

2月は大学入試も真っ盛り。1月のセンター試験問題の新聞掲載時に思うのは、当時は全く無意味に思っていた国立入試の勉強が案外と無駄ではなかったということ。

 


センター試験が共通一次試験と言われていた頃。国立理系で機械工学科を志望していたゆえ試験では国語、英語、数学、物理、地理の5教科を対象に勉強をしていた。

 

なぜ機械工学科だったかというと、自動車メーカーでエンジン設計を行いたかったからであり、そのきっかけは本田技研工業のF1、世界進出のストーリーに高校時代に感化されてのこと。

 

目標はしっかりしてたが、自分の特性に根ざしたものではなかった。数学も物理も正直、あまり学問として興味が持てなかった。個人課題研究は、選択科目ではない気象(地学)を選んでいた。数学においても良かったのは確率統計だけ。

 

 

成績を踏まえて合格可能性のある大学は、目標とする千葉大学はかなり厳しく、茨城大学などに目標を落としても怪しいもの。独り暮らしを余儀なくされる地方国立大に行っても、経済負担を軽くできない以上は意味が薄れてくる。

 


状況を踏まえると、いよいよ国公立は不適切な選択だとの結論を出し、共通一次試験は当日にドタキャン。そして、私立の工学部をいくつか受けてみたものの、結局それもすべて駄目。

 

 

ようやく不向きなことを直視し、私立文系に完全にコンバート。そこで数学も物理も学習課目からは一切省いてしまった。だから苦手な理数を高校時代に3年苦しんで学んだ意味たるや、完全に金と時間の無駄と思っていた。

 

 

無駄でもなかったのかもしれない・・と思ったのは就活のとき。筆記試験において、数学の問題はなんなく解けた。私立文系で数学を学んでこなかった連中は、苦戦をしたことは必至。果たしてコンサル会社の試験通過メンバーの顔ぶれを見ると、有名国公立、早慶くらいしか残っておらず、中堅私大上がりはほとんど残っていない会社もあった。

 


僕はPriceWaterhouseに入ったけど、僕のいた大学からは初の採用。回り道した理数の学びとその原因となった本田技研工業をテーマとした卒業論文がコンサルティング会社へのパスポートになったのだった。

 

 

仕事で高等数学を使うことはないけど、命題を証明する道筋というものは数理で学んだこと。コンサルティングというのは理系の素養が多分に重要だったりする。

 

 

スタッフの仕事ぶりを見ていて、気がつくのは一見して素晴らしい学歴を持っているにも関わらず、数理を回避した学びをしていた人材のパフォーマンスの低さだったりする。学びを軽視したツケというのはどこかで払うことになるのかもしれない。

 


結局、学びというのは受験のためじゃなく、長い人生を豊かに歩むための滋養となるものなのですよね。