Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

リモート授業の福音

1,2年はフィジカル面で大きな障害に直面した我が家の長男は大学への登校も滞りがちになり、ほとんど単位を取れなかった。


本来であれば大学は自分の学びたい専門に絞り込むため学問も楽しいし、多様な仲間との関わりにより大きく世界が拡がる。学生生活において、大学生活というのは最も充実し楽しいものであったし、彼においてもそうだろうと思っていた。でも、彼にとっては違っていたようだ。


どう計算をしてもこのペースでは4年で卒業をすることはできない。それよりも、この状態がフィジカル面から来ているため、何か言語的な説得を試みるのも意味のあることとは思えなかった。ここは時間をかけて信じて見守るしかない。


3年生の時からフィジカル面がだいぶ戻ってきた。目の光も少しずつ戻ってきた。4年生は相当に単位を残しているが生真面目な息子のことだ。彼なりに考えてなんとかするだろう。


就活も相変わらずマイペースでスロー。これが早稲田の余裕ってやつなんだろうか・・

 

本命は逃したけれども、彼なりに納得のいくところに決まったのは何よりのこと。まあ、合っていなければ後で変えれば良いだけのことだからね。後は卒業を無事するだけ。


先日、卒業が決まったとの報告があった。息子は不安をおくびにも出さずクールに構えていたので、まあ順当に決まってよかったなあ・・と受け止めたのだが、彼が年次別の単位取得率をエクセルでグラフにして見せてくれた。1年で10%、2年で20%、3年で33%、4年で37%。124単位が卒業基準のところを128単位という結果だった。


4年で37%も残している状態というのは、かなり薄氷の状態である。1限から最終時限まで月曜日から土曜日までほぼびっちり入れて取りこぼしは許されない。アルバイトや部活なんて入れることはできないし、就活にも影響が出るレベルだ。


ただ幸いにもコロナだったこともあり、授業はリモート。オンデマンドで見れば良いのでライブ参加の必要もない。だから就活も普通に行っていたし、アルバイトも色々やっていた。コロナ渦で大学生の受難が叫ばれているが、彼においてはコロナは恵みの災厄だった。リアルの授業だったら体力的にもかなり厳しかっただろう。


そして、リモートになったことで授業の質もある意味で進歩したのではないか?と彼はいう。

 

「確かに退官間際の教授などは書籍を買わせ、かつて対面授業の時のレジュメを送るだけ。時々、質問を投げかけるだけ。手抜きも良いところだけど、もう退官だから改善する気もない」


「コロナでリモートになったことで、記憶を確認する試験は全く無意味なものになった。カンニングなんて簡単にできるからね。だから、考えや意見を問う試験が多くなった。ネットを調べれば出ていることを確かめるなんて意味がない。採点する方は大変だけど、その方が本質的な学びだと思う」


確かにその通りだと思う。そして彼の様子を見ていると、リモート授業になったことで社会人や子育てをしている主婦のような制約を抱えている人においては、学びのハードルが圧倒的に下がったと思う。後は、授業料の妥当性だね。生徒だって教室の制約がないからもっと多くとれるし、使っていないファシリティの費用を負担するなんてどう考えても割に合わないものね。