Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

河床の夜

夜の世界は、贔屓にする馴染みの客を多く捕まえてなんぼ。LINEを交わせば、誘いが来るのも至極当然。

 


どれだけ個人的な誘いであることを文面で漂わせてもそこにはビジネスがある。キャストの役割は、お店に客を呼び込むことにある。


京都ビジネストリップ。禅寺、カフェを巡っていれば僕の心は満たされる。美しい景色や街並みを観ていればいい。移ろいやすい人の心を、旅先に来てまで求めるには僕は甲斐性がなさすぎる。誘いに応じてみようかと思ったのは、育ちのいい伸びた背筋や言葉遣いがあったから。

 


食事の場には、独りではいけない行きたかった場所を選んだ。鴨川沿いにある河床のお店。四条大橋から目に映る河床の店並み。一度、あそこで一杯やってみたい…でも独りでは行けない。

 


台風来訪前日の京都は秋めく風も混じる爽やかな一日。オープエアの河床で食事をするには絶好の陽気。眺河という名前が表すように鴨川に面した眺望抜群のお店。川面を抜ける風を受けながら、京ことばを話す人と一時を過ごすのも時に悪くない。

 


生きる世界がだいぶ違うと思い話していたのだが。彼女は立命館大学経営学部の卒業で、リクルートにも内定を得ていたのだという。僕はリクルートで働いていたし、立命館大学経営学部は入学金も払い込んでいたので、ともすると先輩だったということになる。MBTIタイプは、ISPF(冒険家)でENFP(広報宣伝家)の僕との相似点も多い。

 


印象深いお客さんってどんな人?と尋ねると、前の店の常連のことを話してくれた。投資会社の役員だったが奥さんや子供と仲が悪く、いつもハーレーでお店で乗りつけて誘いに来たり、AUDIを君のために買ってやるとか言っていたのだとか。精神的に危うさのある人で、今は事故を起こして刑務所にいる…

 


お金で繋がる疑似恋愛の関係性。人の心はお金では買えないけど、一時は満たすこともできる。それを永続的に満たすのはなかなか手間がかかる。身を持ち崩すのが関の山…

 


食事だけでは悪いので、1時間だけ同伴でお店に立ち寄り京都を後にした。ここでの発見は、こういうお店の時間単金は企業に提供するカウンセリングとほぼ同じということ。

 


いい子だけれど、夢中にはなれない。妻は別格として、じっくり話をしたい素敵な人は身近なところにいる。袖を振れるよりも触れ合った中に。

 


同じ高い金を払うなら、娘と銀座のバーでカクテルで飲んで語り明かす方がいい。もっとあって話をしたい人と僕は話をしなきゃいけない…そう思った。