Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

ネット就活の弊害

就活シーズンになった子供たちとどこにアタックしていくか。ということを会話しているのです。


双子の次男は、小さい時からかなりユニークで、画才があって文章が上手い。一方で人と合わせて物事をするのが不得手。口から生まれたような僕と違って弁論もあまり得意ではありません。少なくともダークスーツを着て就活をするような普通の会社は絶対に馴染まない。本人もよくわかっています。かといってどこに行っていいかというとてんで分からない。


バイト選びも選定基準が「時給」しか思い浮かばないので、パワハラの居酒屋を選んだり失敗ばかり。(まあ、それもいい経験だよね)


ネット就職は自分の軸を踏まえた「絞り込み」が肝心なわけです。少ない人生の経験値でもって目についた有名企業や業界軸で会社選びをすると、彼のようなユニークで志向性がはっきり決まっている人間には連戦連敗、ミスマッチは目に見えています。


とりあえず、リクナビマイナビをざっとウォークスルー。引き出した仕事選びのキーワード「クリエイティブ職」で就けそうなところは、ここには殆どないということを分かってもらう。電通博報堂といった広告業界はあるにしても昔から熾烈な門であるし、ソツノのなさが要求される。不器用な彼においてはまったく不利な戦い。


勝負というのは、負ける戦いはしない、自分の有利な土俵に持ち込めるところに限る。入ってからも同じ。


彼に言ったのは、メジャーの就職メディアは基本的に当てにしない。クリエイティブ職においては、ネット広告系ベンチャーであれば数多あるし、それはメジャープラットフォームには載っていないので、ダイレクトかベンチャーに特化したマッチングサイトを使うべきで。そこを教えてあげる。すると、彼の興味を引く企業がいくつか見つかるわけです。

 

「ああ、こういうところ理想的なんだよね・・」
だんだん目つきが変わってきます


今度はその会社を今度はキーワードにして会社選びをしていく。


就活において、多くの学生は自分の潜在ニーズを言語化できないままに、リクナビマイナビといったメディアに飛びつき、目視できるキーワードに流されていくのです。人気ランキングの顔ぶれが未だに大して変わっていないのは、ネットという情報の大海にアクセス出来るようになりながらも、そこから自分に合った会社を絞り込んでいく「リテラシー」が大して学生側にもてていないことがその証左。


ネットだと「偶然の出会い」も断然減るしね。紙だったら、たまたま括っていたページの写真に目に留まってということがあるけどね。そういう点ではネット就職というのは便利だけど弊害も多いなと改めて思うわけです。