「何を」「誰と」「幾らで」
仕事を選択するときの3要素。今年大きく変わったのは「何を」「誰と」。そしてこの2つの重要性を強く認識した一年だった。
「何を」という観点では今年はテーマを限定された動き方だった。ミッションの遂行において進捗はレポートしたとしても、進め方においては事細かに相談する必要はなかったりする。オンラインでクライアントと打ち合わせをし、粛々と自分で作業をしていく。
権限移譲をしてもらう働き方は心地がいい。自由度も高い。だが物足りなさも残る。「誰と」という観点において、異なる知見や観点に触れることでインスパイアされることがないから。そして、「何を」について思ったのは、僕は決められた領域だけをやっていなさいというのは、志向していないのだということ。
自分にしかできない得意なことをやっているのに、自分の中に残る「物足りなさ」の原因はいったい何だろうか..
それは、新たな地平や頂を見ることができないから。新たな地平や頂を見れるのは、未知のテーマであったり、新たなクライアントや新たな土地を訪れること、そして異なる才能を持つ仲間とコラボレーションすることでしかできない。
僕は、同じことを繰り返すのが好みではない。昔、デロイトでスキップ昇格した直後に辞めてしまったのも、同じ性質のプロジェクトを今後も何度も回すキャリアに魅力を感じなかったから。
「自分の経験、スキル(Can)」を活かせる「何か(Must)」。ある意味で恵まれたことではある。でもそこに抜けているのは”新しいこと、まだ見ぬ景色をみたい”という、自分の価値観(Will)。そして、それを引き出してくれる仲間。
リンダ・グラットンは、マルチステージを実現していく上においては、自分に対する知識をもった”アイデンティティ”に根差した働き方をするとともに、"多様なネットワーク"と"変化に対する前向きな姿勢"が大事だと言っている。多様なネットワークを彼女は「変身資産」と定義しているのだが、自分においてはインスパイアをもたらしてくれる「変身資産」が足りてないのだろうと思う。
新たな年においては、「変化に対する前向きさ」を大事にしつつ「アイデンティティ」に根差した新しい働き方を志向していきたいと思う。今年お亡くなりになった山本寛斎さんは「迷ったら新しいこと、困難なことをしていきなさい」と言っていましたからね。