率直なコミュニケーションをとらずに、謎かけのような婉曲的フィードバックをして悟らせるようなことをしたり、当人不在の中で事の是非を議論するような組織はまともに機能しているチームとは言えないわけです。
こういう組織は、誰も本音の胸の内を明かすことがなく、それぞれの弱さを認めることもなく、権限を持つ人間の腹の内を探り、そこにすべての解決の糸口を見いだそうとします。
果たして、その組織はトップの腹次第で物事が決定されていくようになります。トップが自分の感覚だけを判断の拠り所としたい人であれば、極めて窮屈な組織のできあがりです。
これは組織や人の問題解決に携わっている人においては、理想とはおおよそかけ離れた状態であり、可能な限り避けていくべきでしょう。
コミュニケーションには、思いやりと率直さのバランスが必要ですが、やりがちなのは前者だけを重視すること。別の言い方をすれば上を忖度するというやり方。これは、先生やリーダーにすべての決定を預けようとする学校秀才タイプがやりがちなこと。
思いやりいう名のもとに忖度や根回しを重視し、率直なコミュニケーションができない組織は、政治的な問題解決とならざるを得ず、結局は風通しの良さも心理的な安全性も下がります。
ビル・キャンベルはこの点をよく分かってチームにおけるコミュニケーションを設計していたのだと思いますね。