Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

リーダーとマネジャーの違い

リーダーの役割は、規則に則って物事を正しく進めることではない。不確実でリスクがある状況において、責任を負って決断を行っていくこと。外形的に正しさの基準があり、そこに基づいて判断するのはマネジャーの役割。マネジャーはDo things rightly 、リーダーはDo the right things。

 

 

 

リーダーの信義則となるものは、何か明確に規定された数値基準や規則ではない。判断の基準は、リーダーが持つ真善美のビジョンになる。だから、信念、哲学、美意識のない人はリーダポジションになんか就かない方がいい。マーカス・バッキンガムにいわせれば、時にルールを破れるマネジャーがリーダーなのだ。

 

 

 

一方で、細かい規則や数値管理でしか物事を判断できない官僚的マネジャーがリーダーになるケースは後を絶たない。こういう人間はまずリスクをとろうとしない。何かあると合議や基準に照らしてモノを決めようとする。先行きを見通せないから、当座の利益が見込めそうにない案件には手を出さない。人に嫌われたり批判されることを極度に恐れる。リスクを負って物事を行う人間を規則、基準というものに照らして潰しにかかろうとする。

 


当たり前だが、正しく物事を進めることだけを求める人間のもとで働くことは息苦しい。規律や基準の前では、個性というものは完全に無視されるから。そして、ビジョンとは、不確実な未来を照らし出す明かり。人は明るさを求めていくものであり、律法は明かりにはならない。

 


人には相応しい役割というものがある。人を活かす、事業を創造する役割においては、官僚的なマネジャーは向いてない。可能性を持った人をモノとして扱い、機会もろとも殺してしまうからね。