一昨年、僕とタッグを組んでいたW嬢。今年度は一緒に行うプロジェクトもなく、久しぶりに提案案件でタッグを組んだ。
彼女の作った提案書になかなか首を振ってくれなかった相手方。違和感を言葉にできずにいる部長の感覚を言語化するフォローを行いながら次につなげる可能性を残し、2時間の提案は終了、時刻は18:00。
こんな機会もなかなか無いだろうと思い、聞いてみると夜の予定は無いという。久しぶりに彼女と飲みに行くことにした。
提案の振り返りをしながら、改めて彼女の生い立ち、学生時代の環境、葛藤の経験、異性に対する考え方、最近の恋愛、仕事をする中でのジレンマ…そんな会話をした。
毎日見ているけど、まだまだ見えていない彼女のバックグラウンド。新たなディスカバーが多かった。しっかりしてクールに見える外見の反面、情熱にあふれ、素直な感情を持っている内面。会話を進めていくと、顔つきが少女に戻っていく。大人の女性として頼りにしてきた相棒だけど、まだ20代半ばだったりするんだよね…大人に見られる事で、公私で得も損もしている。
大勢の飲み会だと本当のお互いを知る機会ってなかなか持てないですよね…
そうなのだ。お互い関係性がよく、距離感が近いとはいっても、人となりや普段の振る舞いに影響を与えた過去の環境までを知ることはできない。だからこそ、積極的に対話しないといけない。
小気味のいいキャッチボールを終えた後のような軽い高揚感を抱えて僕は家路についた。