Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

ハブとしての使命

完全なる対立軸であり、融和できない状況を喩えるものとして『水と油』という言葉があります。ただ決して交わり合えない水(酢)と油においても『卵黄』という基剤(乳化剤)が加わるとマヨネーズという最高の食材が誕生します。

異質なもの同士を分離させず、いかに融合、融和を図っていくことができるのか。これは、人間関係や学問分野を跨ぐ科学などあらゆる領域において意識しなくてはいけないこと。

僕自身は、いつも交差点に立ちたいと思っています。IT、会計、戦略、組織人事という異なる専門領域を見てきた人間だから担える立ち位置であり、様々な事からインスピレーションを得たいという指向性からしても、繫げていくことの方が内在的な喜びが生まれるから。

先日、メンバーが受けてきたリーダーシップスタイルを診るアセスメントを受けました。赤(支配型)緑(分析型)青(貢献型)の3種のリーダーシップスタイルの特徴において、僕の場合はそれぞれの要素を少しずつ持ち合わせている中間色(HUB)タイプであるという結果でした。

メンバーからも僕のタイプはどれかと一つに決めるには推察しづらく、HUBという結果には納得がいく…という意見でした。

僕自身のキャリアや内在的な欲求から見ても、中間点にたち異質なものを繋げていくという立ち位置は、相応しい場所なのでしょう。そして、HUBの使命としては、対立関係を生み出すのではなく繋げていく役割を果たすこと。

昨年は多くの仕事を抱える中で、この使命を上手く果たせない時期が続きました。多くの人からの相談、期待、意見を受けるHubの立場において繋げられない、コンフリクトが生じさせることの問題を在り在りと肌で感じたわけです。

異なるものを対立項として扱わず、ブリッジングハブとして繋げていく。

この場は、エモーションジャーナルとして、感情を綴る場であり、リフレクションジャーナルとして気づきを綴る場。カタルシスやリフレクションを経た上で、繋げる使命にいかに昇華できるか…かなと思っています。

最後までお目通し頂きありがとうございます。
今年もよろしくお願いします。

歌で盛り上がれる時代

歌番組が好きでよくチェックしているから…かもしれませんが、19歳の娘はかなり古い曲も含めよく知っている訳です。70年代 テレサ・テン山口百恵、80年代やしきたかじん上田正樹岩崎宏美中森明菜…し、渋い…

一緒に車に乗っていると、ジェネレーションギャップを全く感じさせません。(というよりは僕より上の世代)とはいえ、最近の曲もしっかり押さえているので、最新アーティストのいい曲を教えてもらう一方で80年代90年代の名曲を教えてあげています。

『ななちゃんさあ、こんな古い曲友達も聴くのかい?』

「いや、私だけが好きで聴いているんだよ。友達は聴かないよ」

今さら、テレサ・テンやしきたかじんを聴いてみると、確かに歌声が素晴らしいわけです。

やしきたかじんなんて、喋くりの人で、品の悪いダミ声のオッサンというイメージが色濃いのですが、歌声は透明感があっていい。

例えば、欧陽菲菲(オーヤン・フィーフィー)の代表曲であるLove is over。やしきさんがカバーしているのですが、こちらの方が僕は好きだったりします。

個別のアーティストもさることながら、80年代は洋楽、邦楽ともにいい曲が多い…という意見は娘、息子たちでも共通。時流の曲がラジオから街頭に流れ、誰もが曲と当時の光景を紐付けて思い返せるいい時代。

クラウドサブスクリプションで好きな曲を無制限に聴けるというのも実に贅沢だと思うのですが、一人ヘッドホンで聴くよりも、誰かと一緒に聴いて感想を分かち合い盛り上がれるというのが、もっと贅沢なのかもしれない。

我が家は、今年もしっかり紅白歌合戦を視聴です。

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About time

時間が遡れるのだとしたら、意中の彼女に上手くアプローチしてハートを射止めたい・・・そんな思いに男性だったら駆られたことがあるかもしれない。行動して失敗するよりも、行動しなかった後悔の方が大きいから。

映画「アバウト・タイム」では、時間を遡れるタイムトラベルの能力を持つ主人公が、実際にそうした思いを行動に移すことで運命の人を手に入れるストーリーが展開される。ただ、過去に遡ったとしても気のない相手の気持ちは決して変えられないし、遡って行動した事で未来が塗り替えられ、せっかくに手に入れた幸せが無くなってしまうという事も映画の中では起こる。

この映画が教えてくれるのは、

・運命の出会いというのは心の針が触れた時に少しの勇気をもって行動するという事。テクニックではない
・過去にさかのぼってやり直しがきく能力があったところで幸せになることは出来ない
・幸せになる秘訣は、物事を肯定的な側面で捉え一瞬一瞬を噛みしめるように過ごす

書き出してしまうと当たり前の事ですね。

奥手で生真面目な主人公を演じるドナルド・グリードソン、チャーミングなビックスマイルが魅力的なレイチェル・マクアダムス、演技派俳優のビル・ナイがこのシンプルで普遍的な法則をじんわりと伝えてくれます。


ちなみに、タイムトラベル出来たとしても、告白してみたい人というのは小学校にまで遡らないといないですね。エラーばかりだけどトライは全部してみたし。そういう意味では幸せでしょうね。

一方で、物事を肯定的な側面で捉え一瞬一瞬を噛みしめるように過ごす・・という点は意識はしているつもりながらも時々忘れてしまいますね。これでは、いけませんね。

”らしさ”を受容できるのが大人

もう5年前ぐらいのことになるだろうか。大学のゼミの後輩となる20代のY嬢と彼女の友人の3人で丸の内で夕飯を一緒にした。結婚して静岡に行ってしまう前に、大学以来の友人にぜひ引き合わせたい・・ということだった。


その友人はあることがきっかけで独立し、感性・・その人の持つ自分らしさのエネルギーを恢復させていく『エネルギーコンサルタント』というお仕事をしている。セラピー、ヒーリングカウンセリング的な仕事なのだろうか。個人的にスピリチュアル領域については素直に受け入れる関心と興味はあったりします。


人が持つ本来の力を引き出していくという観点に立てば、僕が行ってる『キャリア』の仕事とも符合するところが多くある。なにより自分に素直に正直に生きていくという点では、互いにポリシーが似ているところも多かった。


『そんな感じのままでも、大人になって仕事を続けていけるんですね・・』
会話の折りに、Y嬢がそんなことを僕に言ってきた。


「そんな感じのまま・・」か。


考えてみると、自分を自分らしくいさせてくれるところ、自分の心の高まりを満たしてくれる場所にずっと身を置くようにしてきた。猫が陽だまりや風通しのいい所を見つけ選ぶように。


織田裕二が主演した「就職戦線異状なし
キャッチコピーは”なりたいものじゃなくて、なれるものを捜し始めたらもうオトナなんだよ”


この台詞は劇中でも的場浩司が口にするのだけど、そんな大人だけには絶対になりたくないな・・と学生の時に思った。
-ちっぽけな金にしがみつきぶらさがっているだけじゃNO NO
-救われない これが俺たちの明日ならば
尾崎豊 Bow)


そう、そういうのを大人だなんて言っちゃいけない。夢がない。救われない。


真剣に場所を探せば、僕が僕らしくあれる場所は見つかるんだって、無かったら創っていけばいいじゃないか・・。選んだ会社や同僚は、僕の個性を尊重し、僕を僕らしく扱ってくれた。本当に目指すべきは、そういう相手の”らしさ”を受容できる大人なんだと思っている。

努力は夢中に勝てない

自分が興味を持てないことでも、義務感満載で「頑張ります」という人って結構多いです。僕に言わせたら、頑張らなくっていいから、楽しんだ方がいいんじゃない?って思う。頑張るのって、すぐ限界くるし。

プロの領域に達したいのだったら、努力だけで行ける領域などたかが知れている。答えがある学校のお勉強と違う。ここまでやったら、とかこの本を読んだらなんてものは、どこにも存在しないから。

振るわない気持ちを行動に変える意思の力。この力は有限。夢中になっているときは、気持ちを行動に変える上で、意思を奮い立たせる必要がない。内側からエネルギーが無限に湧いてくるから。

意思の力で踏み込んだときだけ、時速200キロで走れる車よりも、常にアクセルオンで40キロくらいで走り続けられる車のほうが遥かに遠いところに行ける。

価値のあるナレッジワークというのは、人に内在する審美眼や好奇心との化学反応。努力でなんとかなるのは、オペレーションワーク。「働き方変革」というと、どうしても合理的なビジネスプロセスばかりに目が向いてしまうけど、仕事選びの基準にもっと目を向けたほうが良いんじゃないかな。

努力でなんとかしようと思っているアマチュア集団より、夢中になれるプロフェッショナルのほうが遥かに生産性は高いのだから。

Active Book Dialogue

僕たちの組織では、先日育成チームのメンバーが企画を行いActive Book Dialogue(ABD)を行いました。

ABDは未来型読書と呼ばれており、参加者が一冊の本を分担して読み、中身をまとめ、発表し互いの気づきを深めるという新しいアプローチです。

選定したテーマ書は宇田川元一氏の『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論』

それぞれがオリジナリティある本の纏めとプレゼンをします。 発表が終わるとそれぞれのパートで気になった箇所にマーキングを行い対話を行います。

このアプローチにより、自分の中で気づきが乱反射し、一人で本を読むより遥かに大きな学びが得られます。選んだ本としてもセンスがよかった。有志で集まった10名のメンバーのスタンスや意見も良かった。互いの距離感が縮まりこの上ない上質な時間を過ごすことができました。

全員とまではいかなくても、こういう活動ができる組織にいるというのはとても素晴らしいことです。社外の有志であったり、研修ではこうした経験を味わうことができるのですが、同じ志を持つ人たちがいるからこそ成立する場だ…と感動しきりでした。

掌の悩み

子供の頃から掌に大量の汗をかいてしまうのが悩みだった。試験だと答案用紙がふにゃふにゃになってしまう。遠足やフォークダンスでは手を握るのが恥ずかしかった。濡れた掌で不快な思いをさせたくなかったから。

左利きの多汗症というのは、ノオトを取る上では致命的だった。ただでさえ文字をこするのに、濡れた手では字が滲んでしまう。いつも掌が直接触れないように、間に挟む紙を携えていた。野球をする上では、バッティンググローブが欠かせなかった。

デートで女の子と手を繋ぐことも。付き合った相手の子は、誰もそんなことを気にしなかったけど、いつも心が痛んだ。

大人になって僕の症状は手掌多汗症という病気で手術で治癒するものだと知った。でも、治療することは考えなかった。僕の妻は、手のひらの汗のことなどまるで気にとめなかったし、時代はPC。ノオトを取るときだけ工夫すればよかった。

いつしか、掌が汗で濡れて困るということもなくなった。気がつけば、スーパーでサランパックを包むビニールを拡げるときにスポンジで指先に水を湿らせている自分がいたりする。年とともに体も変わっていくのだ。

そして何らかの身体的な問題というのは、自身が気にするよりも受け容れてくれる周囲がいれば気になる問題にならないということなのだ。