Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

単純な嫌いは、本当の好きを奪う

カタルシスを得るために書いている文章ですから、振り子をある意味大きく反対に振っていたりすることも多々あるわけです。


僕は自分のいる場所、仲間、そして仕事を愛しています。好きで一緒になった伴侶であったとしても自分にとって相容れない部分など山ほどあるわけです。そう100%好きなんて事はあり得ない。20%の相容れない部分だけを仮に書いたとしても、それは真実ではないということ。


なので、あんまり誤解して欲しくないのですよね。こういう事を書いているから、その対象を好きでないのだとか・・心が離れているのだとか。そう捉えるのは、あまりに一面的過ぎます。


そもそも、「単純で刹那な」好き嫌いで物事を決めていたら、「本当に好き」なことは出来なくなります。「単純で刹那に」好きでないところも含め、どうやったら「本当に好き」になっていけるのか。そこを真剣に考えていくところにこそ知恵があるんだって。そう思っています。

ハンディキャップの恵み

3週間のギプス固定から、先週ようやく解放されシーレ固定。シーレというのは、添え木です。暑い季節じゃなかったので良かったのですが、これまでは足を洗うことが出来ないし、膝もあまり曲げられないというのは、なかなかのストレスでした。


シーレは、包帯で固定しているだけですから、足先を返さないように配慮すれば外して足を洗うことが出来ます。膝も普通に曲げることが出来ます。だいぶ楽です。一昨日は、リハビリ用の装具の型どりをしてもらいました。出来上がりは5/10。装具をつけられるようになると、両足に体重をかけて歩行をすることが出来るようになるわけです。ですが、それまでは松葉杖生活は続くわけです。


松葉杖の扱いもだいぶ慣れました。唯一の悩みだった掌底の痛みもハンドルに巻くクッション材などでだいぶ緩和。なにより一番の救いは、今年のGW10連休。満員電車に乗ることも、地下鉄で乗り換えの階段に四苦八苦することからもしばらくは解放されます。それもしても東京メトロやJRの大型駅ってなんて不便なのでしょう。階段のみの環境には、こういう立場になってみると閉口させられます。車椅子の人はまずもって東京メトロや品川などの駅では苦労を強いられるでしょう。(というより、絶望的に移動が困難)


先日、池袋で高齢者が運転する自動車による痛ましい事故が起こりました。公共交通機関が発達している東京であっても、足を悪くしてしまうと移動には相当の制約が出てしまう。制約なんて生やさしい話ではなく、歩道の段差や傾斜など車椅子ではとても出歩くことができない。松葉杖を使う体力はない。運転はすべきでないと分かっていても車で移動をしたがる気持ちも分からなくはないのです。


この立場になってみると電車やバスで席を譲ってくれるやさしさに触れることがおおいこと。7割くらいの方は両松葉杖の僕を見ると、席を譲ってくれます。満員電車では、ドアまでの通路を確保してくれる。東京って意外とみんな優しいです。

 

これまでにないモノの見方をしたり、人の優しさに触れることが出来るのも、ハンディキャップを負ったからではの恵みなのでしょうね。

直す愉しみ

13年ほど愛用してきたLUMINOX。防水で頑丈さを持っていて、カシオG-SHOCKほどいかつくない。夜間の自動発光も含めて視認性も高く、ミリタリーユースを考えたミニマルでシンプルなデザイン。休日やオフの旅行の時には、ほぼこの時計を使ってきたわけです。

 


以前のウレタンバンドは2年くらいで切れてしまったものの、最近は耐久性も上がり切れることもない。キズも付かないのでまだまだ使えるね…なんて。

 


ところが、先日週末に時計をして駅で時計を見やると、40分も遅れている。電池はまだ替えてから2年ほどなので交換時期ではない。時計を合わせてみても、すぐに遅れが出ているのが分かるレベル。

 


これは、故障修理になるのかしら、でもそれって数万とられるレベルだよなあ…

 


調べてみるとアナログ時計は、テレビやスマホ、エレベーターの養生で張ってあるマグネットなどに触れると磁気を帯びて遅れやモーションが動かないという現象が出るようなのです。修理で磁気抜きをしてもらうにも、時間とコストが結構かかる。

 


さらに調べてみると、アマゾンなどで消磁器なるものが1000円程度で売っていて、これをかければ直るとのこと。

 


遅れる時計をはめているわけにもいかないし、高いコストをかけて10年以上たったLUMINOXを直すのも割に合わないと思い、消磁器を手に入れ早速かけてみました。

 


中国製のマニュアルもないもので、大丈夫かなあと思いつつ、時間遅れは無事に解消。原因は磁気帯びだったわけです。めでたしめでたし。やっぱり壊れていたモノを原因を探して直すって楽しいね。

心のプリズム

好奇心は物事を多彩に分解する心のプリズム。プリズムを通せば、単色の光でも多彩な光に分解され乱反射し、目に映るものが輝きだす。

 


好奇心のプリズムを失くした人の目の前に広がる景色はモノトーンで平板。人は単調なモノの繰り返しには耐えられないようにできているから、心の回路を閉ざすことで自らを衛ろうとする。光はさらに入ってこないようになる。それは、自らを暗闇の牢獄に追いやっているようなもの。

 


心にプリズムを持っている人の目は生き生きと輝いている。そうした人と対話をしていると光が増幅され、とても楽しい。僕が時間をともにしたいのは、心にプリズムを持った人。

 


人が、0から言葉を覚えられるのは、学ぶ事は楽しいものであり。好奇心が子供にはもともと備わっているから。これが何時かしらか喪失し、人は学ぶことを止めてしまう。

 


退屈せずに楽しい毎日を過ごしたいのだったら、それは旅行に行くことでも、美味しいものを食べることでもない。心にプリズムを持ち、目に映るものを多彩に捉えていくことじゃないのだろうか。

弱いものがハブになる

誰よりも弱いものがハブになるという原則。会話のなかった家族にペットがやってくると、ペットを中心に会話が生み出され、相互の関係性が良くなるということがないだろうか?

 


今の僕は、さしずめトランプカードの大富豪で『革命』が起こったのと同じく、家族最弱者、要介助者に転落しているわけです。今の状態は、ペットのうさぎくん以下。そのうさぎくんも長寿を全うし、3月末に帰天してしまったので、僕がカースト最下層なのであります。

 


とはいえ、意外にも健常だったときより何かしらに影響力があったりするわけで。基本的に赦されるし、お願いするとみんなが動いてくれる。あまり動けないので仕事やランニング、教会活動もできずいつも居間にいるから、会話のハブにもなっているのです。そう、家族を束ねるハブに意外にも以前よりなっていたりするのです。

 


いつも自分の視界の中にいるだけで、細君においてはすこぶる機嫌がよかったりするわけで。これは、貴方にとって何かの啓示なのよ…などと言われる始末。

 


まあ、大人になってここまで、人の迷惑や世話になるという機会は初めてのことで、本当にこれは何かのレッスンなんだなと日々想うわけです。そして、弱い立場で介助が必要な身においても、やはり人にとってはまたそれはそれで意味があるのだ…ということもなってみると分かるのです。

小さな出逢い

今日は、とある放送局の労働組合の幹部の方々向けのセミナー講師でした。今後テーマとして俎上に上がる定年延長は、組合員にとってどんな問題をもたらすのか、個人としてこれからの状況変化をどう受け止めていくべきなのか…


組合員の人たちは、人事についてはずぶの素人なので難しい話抜きでお願いできれば…


依頼者の組合委員長から事前にそうお願いされていました。まだ30代でとても意欲的な方です。


実際に話を始めると、全国から集まった50人ほどの組合執行部の方は、皆さん真剣にメモを取りながら聞いていただきました。多くの質問も出ました。僕が伝えたかったメッセージは、

 


・定年延長というのは万人にバラ色の形には決してならない

・一人一人の幸せの形を考え、選択をすることが求められる

・組合の立場で考えた時には、選択のための情報と機会を獲得していくことが必要


多くの方が賛同をしてくれました。


帰りがけに、依頼者の労働組合委員長から言われました。『組織・人事コンサルタントは、経営的な視点もあるし、個人側の視点もある。とても面白い仕事なんですね…今日は、来ていただいて本当によかった。また相談します…』

 

彼は勉強熱心で、僕が執筆した書籍もしっかり読んでくれていました。

 

受講者の一人からは受講後に、『アキレス腱はリハビリが大事です。僕も温存療法で治したのだけど、予後で可動域がかなり小さくなってしまい後悔しているんで…』


というアドバイスも。小さな案件でしたけど、やって良かったです。

大リーグボール3号

週末に20㎞を走っていた人間において、500mという距離は大した距離じゃありません。全力で走れば2分足らず。迷わず歩く距離です。ところが、松葉杖の状態でこの距離を移動するともなると、2分どころじゃすみません。20分くらいかかってしまいます。時間がかかるだけじゃなく、そもそも移動すること自体を躊躇してしまう。病気持ちだったり、老化して体力がない体だったら、電動車椅子の選択になってしまうでしょう。


とはいえ、この状態を前提にとにかく機動力を上げていく方策を考えるしかありません。エスカレーターやエレベーターを使う。階段の昇降のないバスを活用する。とはいえ、自力で移動する余地を無くすことは出来ません。


病院から借りたクラシックな松葉杖は機能性と体力面で限界。特に泣かされるのは全体重がかかる両手掌底部の痛み。この痛みを軽減する上では、もう少しハイテクな松葉杖を考えてみる余地がありそうです。


機能性に配慮したクラッチ(松葉杖)は、調べてみると色々と出ています。お金に糸目をつけなければかなり良い感じのクラッチがあります。ですが、1ヶ月の負傷に2万円を出せるか・・というと結構躊躇してしまいます。でもってなるべくリーズナブルに良い性能のクラッチを手に入れようとすると、メルカリってのは良いチャネルな訳です。


値段もふくめ検討した上で、ミレニアルクラッチというのをゲットしました。新品だと1.5万ですが、新品同様で4000円送料込み。ま、悪くないです。取り回しも格段によいです。とはいえ、両椀で移動することによる負荷が大きく軽減されるという根本は変えようがありません。とはいえ、デザインも洒落てるしこれはこれで良し。


こういう状態になるとなぜか僕の脳裏に彷彿するのは、巨人の星の『大リーグボール3号』を投じていた星飛雄馬なのです。


大リーグボールは、左アンダースローから投じられる超スローボール。猛打者のフルスイングを避ける魔球です。致命的な欠点は、指先だけで強く押し出して投げるために、体力を恐ろしく消耗する。そして、指先の腱を酷使することで最後は腕を破壊する吸血魔球であること。当初は1回の投球が限界で、完投できる体力を養ったものの、左腕が破壊されてしまって物語はエピローグを迎えるわけです。


こいつは、大リーグボール3号の投球と同じだな・・腱が切れてしまうなんて落ちも同じだ・・などと変なことを考えながら、地下鉄の呆然とするほど長い500mを汗だくになりながら進むわけです。こういう修羅場になると思い出すストーリーが巨人の星というのも僕という人間のベースメントなんでしょうね。

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