幼少期、思春期に読む少年・少女漫画やアニメーションって人間形成に多大な影響を与えると思います。
何が尊いことなのか、美しいことかといった価値観に関わることがそこには扱われているわけで。滅びの美学や自己犠牲の愛が描かれていると、そういう価値観が基底部に有される気がするわけです。
『巨人の星』や『あしたのジョー』においては、武士道にも通じる滅びの美学。『ベルサイユの薔薇』には強烈な自己犠牲の愛が描かれています。どちらも子供が見るアニメ作品ですが、ベルサイユの薔薇の世界とか、今見ても凄い。少なくとも僕はかなり影響を受けています。(男性目線でアンドレの心情とか考えると、めちゃくちゃ胸が痛くなります・・)
こういう作品は、ディズニーやハリウッド作品には決して登場しません。ハリウッド映画のそれは、基本はハッピーエンド。今の漫画やアニメにおいてもこうした作品って無いんじゃないでしょうかね。(ラ・ラ・ランドはある意味珍しい)
功利的、合理的に愛や結婚を考えてしまう事が多い20代の人って、ティーンエイジの時にこういう作品を読んでいないことが大きいんじゃあないか・・なんて思っちゃうのです。そもそも今は収入も上がらないから、現実的なことを考えないとやってられない、という時代背景もあるかもしれないですが。