Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

スマートクリエイティブを惹きつける組織

限定された領域のスキルに習熟することで制約された企業組織で成功する人材が「ナレッジワーカー」である。

一方で、特定の任務に縛られることを好まず、専門性も限定的ではなく、ビジネススキルも併せ持っている..少なくとも従来の意味での「ナレッジワーカー」とは異なる人種がいる。彼らは「スマート・クリエイティブ」と呼ばれる人種であり、デジタル革命期において成功のカギを握る存在ともいえる。


彼らは

・高度な専門知識を持っており、ビジネス感覚も優れている
・競争心が旺盛で、猛烈な努力も厭わない
・他の人と異なる視点を持ち、必要に応じて様々な視点を使い分けることが出来る
・好奇心も旺盛で、決して現状に満足せず。常に問題を見つけて解決しようとする
・自発的であり、コミュニケーションも得意である


全ての条件を備えた人はいなくても、こうした特徴を持っている人物はどこにでもいる。だが、彼らにおいては従来型のマネジメントは通用しない。いわゆる工業化社会のマネジメント手法としてガントチャートなどのスタイルは、彼らの真価を引き出すことが出来ない。


彼らを惹きつけるためには、報酬もさることながら自由闊達にアイデアを出し、形に繋げていくことを奨励するような「企業文化」が大事。Googleはスマートクリエイティブを惹きつけることを至上命題としたマネジメントを実践している。


一方で身の回りをみるとどうだろう。


「スマートクリエイティブ」という人材を認識することはおろか、依然として古いスタイルのマネジメントを行っているところが大半だったりする。報酬が魅力的でなかった日には、イノベーティブな人材は決して集まりはしないだろうし、間違えて入ってきたとしても早晩組織から去っていくことは間違いがない。


問題は、管理統制型のマネジメントで成功を収めた人物が要職に君臨し、新たなパラダイムを理解しないままに「スマートクリエイティブ」が好まない窮屈なマネジメントをいかにも「正論」と据えて実施をすることにある。


ここを打ち破るためには、「カバ」と呼ばれる旧式パラダイムにあるトップが、独裁にならないことにある。「カバ」が君臨する会社においては「スマートクリエイティブ」はこぞって逃げ出していくだろうね。