今から28年も前のこと。大学3年の秋から冬を迎えた時期には人材会社から分厚い会社紹介と資料請求の大量の冊子が家庭に送られてきていました。
入院生活も1ヶ月を超え、重篤な状況から脱してくるとベッドから身動きの取れない身においては、TVを見る以外にすることもなく。大量の企業紹介ブックを母親に頼んで病室に持ってきてもらい、片端から読む日々でした。
最初は初任給を見ていたわけですが、うちに見る項目は社長や役員の出身大学、採用大学、採用人数を見るようになっていました。社長を目指していたわけではないのですが、傍流大学出においては、学閥のあるような会社に入れば、プロモーションにおいては明らかに不利です。そしてサラリーマンであれば、ある一定のところにいけなければ、仕事は面白くないでしょうし、何より給与だって上がるわけはありません。
それを図る一つの情報が歴代社長の出身大学、採用人数、採用大学と思ったのです。
この観点で見ると、ほとんどの会社は対象から外れていきました。そもそも、大量採用する会社においては、一人一人の人間を大事にせず、熾烈な競争の中でふるいにかけられてしまう。不器用な僕の性格にはとても合っているとは思えなかった。会社の規模は小さくても、少数の新卒者を一人一人丁寧にお金と時間をかけて見てくれるところ。
銀行も商社も、リクルートのような会社ももちろんスコープ外。コンサルティングを中心に、マイナーな会社ばかり見ていました。
果たして社員数130名にも満たないプライスウォーターハウスという会社に入ったわけですが、同期も20名とちょっと。でも、もう一度新卒だったとしても同じ選択をすると思います。
優秀な同期に手厚い研修。個人の自由度が高く、スマートで大人のビジネスパーソンに囲まれた社会人スタートは、極めて恵まれていたと思います。
当時において大量採用を行った会社は、いずれもバブル組、団塊ジュニア層の処置に頭を悩ませています。一人一人のことは見ずして、ある一定年齢を超えた社員の頭数を減らしたくてたまらないのです。
やっぱり、大量採用する会社は人を粗末に扱うな…上級役職者以外は人を人だと思ってない。そう思わせられる事が多いのです。
そもそも僕は、人が選ぶものは選びたくない。みんなと違う道を歩きたがるというひねくれた性格をしていることも大いにあるのですが…