Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

恋人はフロー、結婚はストック

どんなに多くの部下を抱え、大きな仕事ができる人であっても、家庭を蔑ろにしている人って好きじゃないのです。家に帰らず飲み歩いているとか、愛人を抱えているとか意味分かりません。嫌悪感しか感じません。

 

所有欲、独占欲が強い人が仕事ができるというのはよく分かります。でも、そういう人においては結婚をするということは、所有欲を満たすだけですから、モノにできてしまえばお終い。

 

そういう人が『愛』とかいっているのを聞くと、ちょっと違和感があります。彼らの愛は、エゴの愛です。妻も子供も顧みない、結婚してもエゴだけを通し続けた人に愛を語る資格はないのです。そもそも、そういう人に取っての結婚って何なんでしょうね。

 

一定の距離感や遠慮がある中での男女関係なんて簡単です。優しく振る舞うこと、気持ちをくみ取ること。互いに期待値が高くないので、失望をしたり、苛立ちを感じることは少ない。基本はフローのプラスだけの関係性です。

 

結婚すると、距離感は近く遠慮はなくなる。期待値もぐんと上がります。この状況において、良好な関係を維持するのは時に困難です。対立の火種がそこかしこに転がっている。フローからストックとなり、長期負債のマイナスは消し去ることが困難。それでも対立を恐れ相手に何も求めないと、相手は他人以下の存在になりかわる。自分の軸を見失わないように、相手と折り合えるポイントを探っていく。時には大事にしているものも捨て去って。この労力は、エゴドライブでは無理でしょう。

 

外で他人の話を聞いたりする方が楽です。そこで築く何人もの薄い関係より、一人との関係を作り上げるのはなんと大変なことなのでしょう。

 

ビジネスや刹那の関係で、虚栄心を満たすために払える自己犠牲とは訳が違う。エゴの愛から抜け出ていない人の他者理解や対話というのは、自分本位の思い込みだったりするのです。そういう人は、極端な話で結婚をしない方がいいと思います。

 

昔、会社を辞めようとしていたときに、ある役員の方から直接、説得を受ける機会がありました。その人は、Rの人だったのですが職場での集合写真を見せながら僕に言いました。

 

『お前も、こういう仲間をここで作った方がいい。綺麗な奥さんだってもらったんだろう』

 

その人には、愛人がいるのは一部の秘書連中においては有名なことでした。妻もいて子供もいるのに、家に帰らず愛人の元に帰っている。時に出張にも同伴させている。貴様に何が語れるのだ…仕事はとてもできる人でしたが、一顧だにする気が起きなかった20代の記憶があります。