大学恩師の喜寿パーティー。久しぶりに会うクラスメート。仲間たちは、1次会前から目白のバーに集まっていた。
『え、あんた一ミリも変わってないじゃない・・一瞬同期じゃないと思った・・』
『なにそれ、石橋くん!!その服30年前に買ったの?変わってないじゃない・・』
見るなりのいきなりで、まったくユニークな表現をする仲間たちである。遠慮なくノリが変わっていない。
中に、卒業以来初めてのH君がいた。H君は入社以来海外赴任をずっと続けてきたので、殆ど日本にいなかったのだ。H君は、ロマンスグレーの髪で落ち着いた渋い大人の雰囲気。
『どぉー見てもあなたとH君は、会社のおエラさんと新卒社員って構図にしか見えないんだけど・・』
よりによって、僕はポロシャツ、ジーンズという極めてラフな出で立ち。一方で周りはカジュアルフォーマルなので、余計にコントラストが際立つ。まあ、普段から自覚しているからいいですよ・・貫禄、特に大人の渋さがないってのはさ。
面白いのは、大学のゼミ同期から見た僕の印象は、他のコミュニティと少し違うということ。
女の子はさほどじゃないけど、男子においては、頭がきれるやつみたいに捉えているところがある。高校時代は、落第生だったことを僕自身はよく知っているし、大学においても興味の持ったものは成績が良かったけど、オールマイティで優を連ねたタイプではない。だからなんか、変な気分・・
僕の同期は32代続いたゼミの中でも、仲間が多かった。女子も多く、パワーのあった代。同期同士で結婚した子もいたし、僕も付き合いはしなかったけど、気持ちを寄せた子や視線を感じる子もいたりした。そうして久しぶりに会うと突っ込まれるのが、『お前たちは付き合っていたのか?』というお決まりの質問だったりする。やれやれ。
好きなテーマを選んで自分で研究を進め、仲間に発表する。人の発表に耳を傾け、質問の切り口を見つけるために視野を広げる。大学で一番楽しかったことの一つがゼミの活動だった。同期が多いので、それぞれの発表を聞くのがいつも楽しみで、発表に合わせて情報を調べ、質問をしていた・・相手から見ると、それがどうも時に脅威だったようなのだけど。
『シンクタンクに向いているんじゃない?』そう言ってくれたのもゼミの仲間。闘病で本試験を全欠席したときに、追試を助けてくれたのもゼミの仲間。気持ちのいいやつらだった。
今度さ、全員で集まろうか?表参道あたりでさ。日決めちゃおう。よし、いいね!
中高のときの仲間もそうだけど、人生の五合目とも来ると、原点の仲間と再び会うタイミングなのかもしれない。