Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

自粛警察とセロトニン

コロナ禍による自粛生活が長期化した中で、自粛警察なる存在の問題もクローズアップされています。

 


他人のために自己犠牲をも厭わず真面目に働く人が、理不尽な行為に接すると、あらゆる手段を使って、相手に目にもの見せてくれようと燃え立ってしまう…

 


不倫のバッシングもそうですが、日本人ってどうも公共概念で必要以上に自分を縛り付けてストレスを溜め込んでいるせいか、義憤に駆られた行動をとる人が少なくないですよね。

 


だいたい義憤に駆られた人というのは、視野狭窄で破壊的な対応を相手にとるのですが、こうした行動は、脳内神経物質のセロトニンが少ない人が起こしやすいことが分かっている。セロトニン量が少ないほど、利他的行為を行う半面、理不尽な行為に対する許容度が低くなりがち。日本人は国際的に見てセロトニン量が少ない部類に入るらしい。ちなみに睡眠の質もセロトニン量と関係があります。

 


セロトニンは、人から抱きしめられたり、内発的に動機づいて働いていると分泌されますから、仕事、家庭生活など何かしら満たされていないと、正義という名の御旗を掲げて他人に暴力を振るうようになるのでしょう。

 


会社でいつも正論という名の暴力(ロジカルハラスメント)を何かにつけてしてくる人というのも、今の仕事が心から好きでなかったり、家庭生活に大きな問題を抱えている人だったりするのですよね。

 


まあもうこれは、ワークライフキャリアの問題といってもいいのだろうなと思うわけです。

自己愛リーダーの弊害

リーダーなのにメンバーから嫌われたくない…とか。仲良しクラブじゃないのだから、全員に好まれる方向性や意思決定など出来るわけがないのです。

 


それぞれの意見を聞きつつも、最後は自己が責任を持って決定する…これしかないはずです。嫌われたくない…などというメンタリティでいると、そもそも自分の意見や思いといったものはハレーションが生まれるから一切打ち出せなくなり、表向きの完璧さだけを装うようになります。

 


完璧さを装い、当たり障りのないことしか発信しないリーダーの元では心理的な安全性は下がり、風通しは極めて悪くなります。意思決定も合議で行うから、スピードも下がるし、大胆なことも全くできない。

 


リーダーは強くて完璧じゃなければ務まらないという幻想を抱き、自然なコミュニケーションを取れない管理職って未だに多くいます。たまに何を言うのかと思えば、自分はいかに大変なのかという苦労自慢だったり。

 


こういう人は、自己愛が強く人のために犠牲を払うという概念がないからそうなるのでしょう。自己愛の強いリーダーが作る組織は、喜び組や密告者たるゲシュタポが跋扈する専制政治の組織なんだよね。

否定ではなくエール

社会的な生物である人間は、存在に関心を持ってもらい、適切な働きかけをされることを求めている。

 


赤ちゃんは、自分に関心を持ってもらいたいから泣くのであり、親に対応してもらえないとコミュニケーションの発達が遅れるといわれています。さらには、放置されていることに本能的に恐怖を覚えていきます。泣いた時に的確にケアしてもらった場合は、自分の存在に自信を持ち、他人への思いやりや関係性を作る力も育まれていきます。

 


人間にとっての一番の恐怖とは孤独。他人から無視をされる、まともな反応をされないということは、心を一番傷つける行為。

 


凶悪事件を犯した犯人においては、家庭における親との関わり方に問題があるケースが多い。学校において無視をしたり、まともな反応を返さないという虐めは、人の根本を脅かす性質の悪い行為なのだと思うわけです。

 


社会生活においてもこの根本を踏みにじる行為はそこかしこで存在しています。存在を無視する、行為を全否定する、機械やモノのように使い倒す、感謝もなく否定する言葉をぶつける…

 


いくら頭がよかろうが、この根本原理を分かっていない人が親になる、人の上に立つ…そのことでどれだけの人の心が殺され悲しみがひろがっていくのでしょう。一方、人の存在、可能性を信じエールを送る。そのことがどれだけ価値があることか。リーダシップ、マネジメント理論…そんなこと知らなくてもできる大切なことがあるのだと思います。

人でなしの口説き文句

「わしは、家庭のある男のしつこい誘いを心配しちょります。そういう男の口説き文句は、都会じゃろうがいなかじゃろうが、百人が百人、おんなじじゃ。女房とは長いことうまいこといっちょらんので、近々離婚することになっている。女房も同意しているが、いろんな事情があって正式な離婚には時間がかかる。それまでは辛抱してくれ…。賢そうな女も、みんなこの言葉に騙されますんじゃ。男が言うたからという一種の免罪符みたいなものが、女の心に穴を開けさせるのかもしれませんなぁ」

 

 

 

「この人は妻や子供を捨ててまで私と一緒になろうとしてくれているっちゅう甘い気分で我を忘れてつっぱしってしまいよる。だいたい長うて五年か六年で、そんな関係は終わるしかなくなりよる。男はなんやかんやと事情を並べて、女房とは離婚せんのです。当然じゃ。男は離婚する気なんか初めからないからです」

 

 

 

「そのうち、ふたりのことは女房が知るところとなる。男はどっちを選ぶか。百人のうち九十九人は、妻のおる家に帰りよる。残りのひとりは、よほどの馬鹿か、人でなしじゃ。九十九人の女は、ただ泣きを見るだけです。男のことで疲れ果てて、歳をとって…。男に経済力があれば、別れるときに幾分かの慰謝料も払いよるじゃろうが、そんな金では失った時間は取り戻せないのです」

 

 

 

流転の海、松坂熊吾が語る時代を超えた本質。

 


馬鹿か人でなしと一緒になっても先は見えている。人の不幸を無視できる人でなしは、きっとまた同じことをする。そもそも、人の悲しみの上に幸せを築こうだなんて。そういう人は本当の愛がない。

 


そう、真実の愛を求めているなら、そんな出鱈目を口にする輩に構うのは、人生の無駄なんだ。

「大艦巨砲主義」電機メーカーの落日

iPhoneのディスプレイが液晶主体だったときは、サプライヤーSHARPジャパンディスプレイ(JDI)に軍配が挙がっていたわけですが、X以降は有機ELに取って代わりSHARPもJDIも完全に締めだされてしまった。代わるは韓国サムスン有機ELの世界シェアは9割超。やっぱり電力消費の少ない有機ELは、長時間駆動を求められるスマートフォンの性能向上において主流パーツになるのは避けられない。サムスン帝国はこの領域では安泰です。


廉価版のSE2020においては液晶が採用されているので、サプライヤーとして選ばれているSHARPもJDIも安堵しているかと思うのですが、旧世代の位置づけに完全になってしまったのは何とも寂しい限り。


こうなってしまったのは、日本の家電メーカーがTV中心に物事を考えていたからなのだと思うわけです。パナソニックNEC、日立、東芝ソニー三菱電機・・・みんなそう。確かにかつてのTVは売り上げの嵩も張るし、利益も相当に産み出されたのだと思います。でも、据え置きが基本だから電力消費にそこまでシビアにならなくてもいい。それよりも大型パネルを作れる方に目が向く。SHARPなんて完全にその方向性に乗っかって堺の巨大工場を作ったわけだからね。


でも、今やTVなんてコンテンツもイマイチで置いていない若者も多い。買い替えサイクルは長いし、価格低下のスピードも非常に速い。まあ、儲からない。スマートフォンは2年に1回買い替えて価格も上昇していることを考えたら、TVよりよほど儲かる事業だということが時の経営者は誰も分かっていなかった。もし分かっていたらTV向け大型液晶ディスプレイより、小型の有機ELディスプレイに全力を注いだでしょうから。第二次世界大戦になぞらえれば、TVは大艦巨砲主義戦艦大和でありスマートフォンは戦闘機みたいなもの。戦艦建造に力を注いだ帝国海軍は、見事に惨敗。

 

日本の家電メーカーも有機ELは2000年代には各社取り組んでいたはずなんです。でも途中で展望が見えないとして止めてしまっている。技術者は引き抜かれてサムスンにノウハウを持っていかれてしまった。先手を打っていたのにヨミを誤ったというわけですが、実に悲しいです。


ちなみに、iPhone6,6s,7,8で採用されているRetinaディスプレイは、自分で交換すべくAmazonで買おうとするとせいぜい3000円です。iPhoneにおいてディスプレイの綺麗さは売りなわけなんですが、部品メーカーはさして儲かっていないはず。それより低い原価のiPhoneを高額で売るAppleだけが圧倒的に儲かる構造は変わってないのですよね。

現存価値の不思議

自宅で過ごすことが多いので、家の中の余計なモノを極力減らし、綺麗な状態で過ごすべくせっせと不要品を捨てたり、リサイクルに出しているわけです。

 


いつの間にか増えてしまった時計もmercari、ヤフオクで売却。結局腕は一本しかないし、好きなものは結局固定されるので何本も持つ必要がない。

 


本は個別に売れば良いのですが、あまりにも煩雑なのでブックオフ。日用品はエコリング。洋服はセカンドストリート。当たり前ですが、ブックオフセカンドストリートはゴミとして捨てるくらいなら、ちょっとでも貰えたらまあましというレベル。エコリングはともすると粗大ゴミになり得るものも引き取ってくれる。バルクで断捨離する際には買い取り価格はさておき便利なサービスですわね。

 


ただし、きちんと商品を仕分けしすぐ売れることを期待せず時間に余裕があるなら、ヤフオクが一番筋がいい。mercariは購買力が低い人が多くかつ手数料も結構取られるのであまり実入りが良くない。

 


パソコンなどは数年たつとほとんど価値が無くなるけど、腕時計は高級なものでなくても案外価値が下がらず買い取り手がつくものです。例えば、10年落ちのSEIKOが買ったときの半額程度で買ってもらえる。これは不思議ですよね。車なんて10年たったらしっかり動いたとしても値段が付かなかったりしますからね。

VUCAとセンス

変動性、不確実性、複雑性、曖昧性

 


VUCA時代において価値のある仕事とは、上記に対応した仕事をすることに他なりません。

 


ハッキリと指示をください…説明してくれないと納得できない…それはどうやったら分かるようになれるのですか…

 


こういう言葉を口にする人は、VUCA時代において価値のある仕事はまずできない。特に対面コミュニケーションではなくなると、勘の悪い、センスの悪い人は放っておかれます。こと勘やセンスは、言語化できない曖昧さや不確実な物事から、本質的で優先すべき事柄を見抜き、対応していく力であり、それが欠けている人にセンスを身につけてもらうことは相当に困難となります。教えて身につくものじゃないからね。

 

 

 

そもそも明確にオーダーできる仕事というのは、それ自体が価値が低い仕事な訳で、具体的かつ明確なオーダーをしてくれと上司に食ってかかっている人は、『自分自身は価値の低い仕事しかできない人です』と標榜している…という残念な事実を認識しないといけないですね。