Googleのトップエンジニアの方と対話をする機会があった。
彼が言うDXの本質とは、データドリブンで付加価値を創造するという視点で物を考えていくこと。システム化では無い。システムは変えなくても、データの持ち方や分析の仕方を変えるだけで新たな付加価値が生まれてくることもある。その上では、単にデータを蓄積していこうという発想ではダメで、意味のある形でデータを加工、蓄積した上で分析、意味づけしていくことが大事になる...
タレントマネジメントシステムを導入しているにもかかわらず、従業員の一覧管理と評価運用程度しか活用できていないという企業が多い。基幹システムからAPI連携でデータを全てタレマネシステムに放り込んだとしても、データエンジニアリング、データサイエンスのステップが無ければ、いたずらにゴミを溜め込んでいるのと同じ。誰が将来の昇格者候補なのかも、異動配置対象者として適切なのかも全く分からない。
一方でタレントマネジメントシステムの課金システムは、ユーザーライセンスあたりの従量制であり、使い方はショボくても評価運用のように、とにかく全社員が使っていれば儲かる仕組みだったりする。
そう、データがゴミで目的を叶えられないことは分かっていたとしても、DXリテラシーの低いユーザーマターという扱いにして手はさしのべない。データエンジニアリングやサイエンスを伴走できる人材は、タレントマネジメントシステムのベンダーにはそもそも存在すらしていないのだから。
人事DX=クラウドシステム導入と考えているユーザーとそこにつけ込む提供者。この構図が不毛なシステムが跋扈する問題の元凶だったりする。少なくとも、提供者論理でタレントマネジメントシステムをとにかく売りつける、ユーザーに対しては導入さえすれば何事も解決する・・という嘘八百を吹き込んでいる人は、DXをそもそも理解していないし害悪以外のなにものでもないな・・と思うのです。