コンサルタントは芸者だから、座敷に呼ばれてナンボな訳です。本人がいくら能力があると思っていても、PMから見て使いづらい、顧客先に出せないとなればお呼びがかからない。
その結果は、スタッフにおいては課金可能な稼働率として一目瞭然なわけです。マネジャー以上においては、売上金額となります。売れない芸人と同じで、一流と三流を見極めるのは簡単です。
気をつけなくてはいけないのは、たまたま売上の大きなプロジェクトにアサインされているという状況です。これは、別に本人の実力があって『売れている』訳ではない。この状態で、仮に上に行ったとしてもメッキが剥がれるのは時間の問題。マネジャー以上においては、自分の得意の十八番ばかりで売上を稼ごうとしていると、いつしか時流に乗れなくなり売れなくなります。
立場の高低に関わらず共通していることは、芸者の価値というのは『相手が認めるところに価値がある』ということです。
いくら勉強して知識があろうが、どれだけの経験を積んでいようが関係なしです。自分を知ってもらう努力、相手に貢献する観点での行動なくしては存在意義なんてない。
勘違いするのですよ。何かを知っている、何かができる…というのが専門家の価値基準の中心だとね。僕はインディペンデントも長かったのでなおさらなのですが、安易に引き合いや案件遂行の機会を断るとか信じがたい。好きなことだけ深掘りしている学者や研究者じゃないのです。(その意味で、あの人は学者だという表現を受けることは、コンサルタントにおいて最大の皮肉です)
でもそれって、専門会社に限った話じゃなく、事業会社でも同じじゃないかと思うのです。対価というのは、人を喜ばせて生じるものなのですから。