Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

専門性の勘違い

自分はこれが得意だ、やったことがある…

 


人は変化を嫌う生き物ですから、経験済みでできることに執着する気持ちがどうしても生じます。ただし、仕事においては経験済みで出来ることだけ要望されないのもまた事実。ましてや困難な問題を解決することで対価を得るコンサルタントともなると、既知のお題じゃないことなんてしばしばあります。というかそんなのばっかり。

 


そこに好奇心と可能性を見出して取り組み、中で自分を成長させようという志向性や覚悟がある人以外は、やっちゃいけないし向いてない仕事なのだと思うのです。

 


コンサルタントという仕事がメジャーになるにつれ、どう見ても合っていない人に遭遇するケースがよくあります。

 


学歴レベルでいくとそこそこ高い。でもそういう人においては、やりたくない理由を仕事の中身やクライアントのスジの悪さなどに言いがかりをつけやろうとしない。駆け出しなのにこのテーマは学校で学んだことがない、エクセルは苦手だから…とか。

 

 

 

YKKの創業者である吉田忠雄さんがいうところの『なまくらもんのごたむき』です。下手に学問を修めたが故に、できない理由ややりたくない理由のご託だけを立派に並べる怠け者という越中の表現です。

 

 

 

こういうことが起きてしまう理由は、『専門性』という言葉に釣られてこの仕事を選んでしまうから。専門性とはいえど、特定の領域だけを深掘りしている研究職やアーティストとは性質が違うことをまるで分かっていないのです。

 


加えるならば、失敗することが怖い、予測不能な物事に対する耐性の低さです。ここについては、幼少期や学生時代に育まれる『ベーシックトラスト(自己肯定感)』の低さであることも多い。

 


こうした要因で生じているミスマッチは、いくら動機付けなどをしたところで決して解消することはありません。採用の時点でしっかり見極めていかないと駄目なんですよね。