当該職階や上位職階の要件を明確にし、そのギャップから学習行動を促すアプローチは、外的コントロール心理学に基づくものです。外的刺激から、学習行動という反応を引き出すものといってもいい。
一方で、人がそれぞれ持っている内的動機に基づくアプローチが存在します。選択理論心理学では、5つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)が人それぞれに強弱は変われど遺伝的に存在し、その欲求によって形成される『上質世界』に基づいて人は行動するとしています。
そこでの学習行動は、楽しみの欲求と強い関係があるとされている。ですから、学び続ける事が必要な職業においては『楽しみの欲求』の発露として学べる人を採用した方がいい。その上で相互啓発が起こる場さえ用意してあげればいい。
問題は、楽しみの欲求のパラダイムで学ぼうとしている人間の中に、外的コントロール(生存欲求や力の欲求がドライバーの人)を効かさないと学習行動を取れない人材が入ってしまうこと。いわゆる、学校秀才タイプ。これは、当人にとっても不幸だし、こちらとしても扱いに困ってしまう。
ですから学びの動機や行動の有無は、僕は絶対採用で判別しないと駄目だと思っています。ここを学歴などで判断しようとする人がいますが、愚の骨頂ですね。