『自分がすることを愛せ。子どもの頃に映写室を愛したように』
僕の好きな映画「ニュー・シネマ・パラダイス」で主人公のトトにアルフレードがいう台詞。この映画には、人生哲学的な箴言が登場人物たちによって語られていますが、その中でも最も好きな言葉です。
この映画は、大学1年生の時に今やなきシネスイッチ銀座に独りで赴き、満席立ち見の中で涙いっぱいで見た記憶があります。立ち見を許容する映画館なんて今時ないでしょうね…
愛する人との出逢いと別れ。郷愁に惹かれる主人公の可能性を信じ、心を鬼にして主人公を送り出す親友アルフレードの言葉が一つ一つ素晴らしいのです。
自分の選んだものを愛するというのは、自分の人生を生きる、人生にYesということです。その中でも、仕事というのは最も大切なものです。それを選ぶ感覚は、小さな頃に大事にしていた愛着に似たものをその対象に抱けるか、どうか。
部下への動機付け、確かに大切なことですが、仕事を愛していない人にできる動機付けなんて大してないのです。愛していない人は、ちょっとした困難でネガティブ感情に包まれてしまう。彼らは、成功だけを気にしていて、愛するもののために挑戦をすることを決してしないのです。
だから、僕は面接では仕事への愛、動機しか聞きません。加えてみるのが徹底的に考え抜く力。たまたま従事した中で培った経験などたいした価値がない。僕らは、過去の経験の再転写で済むような仕事をしているわけではないのですからね。
同じものを愛している人との仕事は、格別の喜びがあります。そして、その人のために何ができるのか、という姿勢にも自然にたつことができます。愛しているもののために戦うのは、ごく自然な感情ですから。
こうしたことを教えれば何とかできるというのは、あまりにも浅はかですね。