年末に受けた健康診断の結果が返ってきた。その中に、胃のバリウム検査で病変による隆起の疑い要検査という通知があった。特に自覚症状はないが、祖父は食道癌、父は胃癌で亡くなっているから、そうしたこともあり得るだろうということは頭の片隅にあった。
ひとまず、近くの病院で胃カメラ検査をうけることにした。受診待ちが多く、1ヶ月経ってようやくの検査。麻酔をして胃カメラを飲むか、無しで飲むか。麻酔付きだと、1時間は動けない。最初は麻酔付きにしたのだが、昼過ぎの検査が終わった夜には東京で面接が控えている。麻酔無しならすぐに帰れるとのことで、麻酔無しを選択。
「やったことありますか?」
胃カメラを飲んだのは、大学3年の時に死線を彷徨った大学病院での時以来。確かその時には麻酔はしなかった。なので過去にはあると答え、麻酔無しでの検査。途中少し辛かったけど、なんとか麻酔無しでも大丈夫だった。
検査後に胃と十二指腸の様子を見せてもらった。ポリープと小さな潰瘍があり、生検をすることに。中はまあ綺麗だったのだが、小さな潰瘍は色は悪くないが、形状が少々気になる。これは、悪いものではなかったとしても取った方が良い部類だろう。
後日、生検の結果を聞きに行った。ポリープも腫瘍も悪性ではなかったのだけれど、小さな腫瘍は今後のこともあるので入院をして内視鏡で取った方が良いだろうとのこと。大きな病院への紹介状をもらい、後日診察をしてもらうことになった。
僕の父も祖父も二人とも飲酒と煙草が常習だった。僕はどちらも全くやらないのだが、もしどちらもやっていたとしたら、悪性に変質していたのかもしれない。まあ、そもそもいくら健康に気をつけていようが、年齢とともに起こりうる細胞の再生ミスの連鎖が癌というもののメカニズムだから、誰だって年齢や生活習慣に限らず起こりうるもの。
31歳でスキルス胃癌で逝去した黒木奈々さんという容姿端麗な女性キャスターの書籍を読んだことがある。仕事もようやく軌道に乗り、人生もこれからという時に襲ってきた不治の病。彼女の嘆きのほどはいかほどだったことだろう。だが、嘆き悲しむことは止め、今日という日を精一杯に生きていこうとする彼女の決意がそこには綴られている。
同じ気持ちには、大学生の時に味わっている。人にはそれぞれのタイミングというものでこれといった意味などもなく、死の陰は襲ってくるものとそれ以来思っている。でも、自らそういう機会を早めないように、自分の肉体を大事に使い、能力を最大限にキープすること、病気を早期発見する努力しかできないのだよね。