Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

創造性のための専門性

専門性には2つがある。「再現性のための専門性」と「創造性のための専門性」


専門性を高めたい・・と若手の人たちが言うところの専門性とは、再現性のための専門性だったりすることが多い。これは特定の領域の問題を解決するための知識や経験だったりする。ただし、特定領域の専門性は今のように変化の速い時代の中では、あっという間に陳腐化をしていく。少なくとも就労70歳時代において、50年も耐えられるようなものではない。生成AIが登場するとなおさら。


そうなると、正解のない問題において解を見つけていくための専門性の方が実は潰しがきく。それは、不特定多数の知識や経験と同時に、問題発見や解決のための思考法といったコンセプチュアルスキルであったりする。これは「創造性のための専門性」だと僕は考えている。


この専門性は、異なる職種や業務、違う会社で働くといった越境体験の中でしか身に着けていくことができない。タイパ、コスパで最短距離で走るキャリアでは到底身に着けていくことができない。パラダイムが全く異なるものだからだ。


不確実性の高い世の中では、再現性のための専門性に依拠するキャリアというのは実はリスクが非常に高い。エンジニアの世界なんてその最たるもの。


だけど、不特定多数の知識や経験を身に着けることは、一見合理的に見えないし、効率性も悪いように思える。だが、イノベーションとは新結合であり、異なる知識や経験を持ち合わせていることが差別化にもなるし、創造性にも繋がる。差別化や創造性は、ワークアイデンティティを高めていく効果もある。


でもこのことは若い時には分からなかったりするんだよね。だから、ジョブズはConnecting the dotsというキーワードで無関係な点でも多様な経験をしていくと、それは将来繋がって価値になるのだよ・・点を打っているときには分からないと思うけどね・・と言っているのだよね。