Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

敗北した大人のイメージ

一ヶ月半もの間、ベッドを降りることはおろか、寝返りすらも打てなかった入院生活。全身の筋肉はすっかり落ちていた。気の合わない野球部の活動に4年から戻る気はまるでなく、おぼろげながら見えてきたターゲットに向かって就職活動に専念すると決めていた。

 


歩くこともままにならない体を造り直さなくてはいけない。退院して家に戻ると、少ない回数から腕立て伏せをすることにした。ランニングもすることにした。

 


腕立て伏せは最初10回もできなかった。二ヶ月も経つと200回は楽にできるようになった。21歳の若い体は、トレーニングにダイレクトに反応し、筋肉がついた。リハビリを機にトレーニングをすることが習慣になった。

 


果たして就職活動は、部活動を一切やめて専念したこともあり、目論見通りの会社に行けることになった。大学最終年度は何の憂いもなく。卒業旅行には高校時代からの友人であったY君とマレー半島縦断の旅にいくことにした。

 


倹約の旅ではあったものの、ビーチリゾートだけは良いところに行くべきではないか。選んだのは、タイ王家が赴くホアヒンビーチ。ホテルはロイヤルガーデンリゾート。今でこそ日本円の価値は下がったが、当時の日本円は強くタイの物価は日本の三分の一。高級リゾートでもその値段は学生の旅行でも十分に手の届くリーズナブルなものだった。タイでは大層な贅沢な食事をしたとしても、値段はたかがしれたものだった。

 


ビーチで寝転んでいると、現地の人から好い体つきをしてるじゃあないか…と声をかけられた。欠かさないトレーニングの賜物で、しっかりとした体つきになれていた。Y君は、腕立て伏せだけでその体になれるのなら俺もやってみるかな…と呟いた。

 


ビーチを水着で歩く様々な国の人たち。欧米系はガッシリとした体躯。アジア系は色白で貧弱な体躯。しかも腹もでているとそれは醜態をさらしているといっていい。

 


ビーチを貧弱な胸板で出張った腹をさらして歩くような大人にはなりたくない…これは一つの敗北に等しい…その時にそう思った。果たして、それから30年以上の時間が流れ過ぎた。ひとまず、あの時に思った敗北した大人という憂き目には合わずにいる。