Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

迫る死に抗う美しさ

素晴らしいピッチングをしたものの2発の被弾で敗戦となったパドレスのダルビッシュ投手がインタビューでこう言っていました。

「本当に人生で言うと、ほぼ死ぬ間近なので、だから、その“死にたくない”ってところが強い。やっぱ野球の中で年齢もそうですし、その中で年齢に負けて消えていくってのは、なるべくもがきたいってところがある」

着ていたTシャツにはガンで若くして逝去した義理の兄である山本“KID”徳郁さんの写真。彼の強い意志を感じました。


スポーツというのは、決して長くはない選手生命の終わりという『死』を常に意識しながら、いかに最高のパフォーマンスを出すかということを考えている人は多い。大谷翔平さんもSEIKOプロスペックスのCMの中で同じような事をいっていました。大谷さんは、いつか自分がマウンドを降りるときが来る。だから、それまでの間の挑戦を楽しみたい・・でした。


スポーツに魅了されるのは己の限界、選手生命の終わりという『死』に向き合って挑戦している人の姿が、無上に美しいから。不謹慎な言い方なのかもしれないけど、余命宣告を受けた人が、限りある時間を生に固執しつつ、生きた証をこの世に残そうとする姿にも同じように尊い美しさがある。


『物質とは弛緩であり、精神とは緊張と収縮。生命活動とは降っていく物質に対して抗っていくことである』とベルクソンは言っています。そう、抗う姿が美しいのですよね。


誰もがその事を知っている。でも、抗うことをやめ楽な生き方をしてしまう。棺桶に自ら入りに行くようなものなのですけどね。