Homare's Diary

組織人事コンサルタントの徒然日記です

40年越しのお付き合い

40年前の初恋の相手と本格的にお付き合いする機会に遭遇した。といっても、その相手とは異性ではなく’とある会社’のこと。


学生時代に理系専攻にしたのは、機械工学を専攻しその会社でエンジン設計をやってみたかったから。受験失敗によりようやく自己認知をし、新たに選んだ経営学では卒論テーマにその会社の経営理念を選んだ。自分自身を惹きつけてやまなかったその会社の経営者の考え方、理念というものを自分なりに理解し、総括したいとの思いからだった。


経営者の著書、社史、評論家が著述した何十冊もの文献をあたり、一つの考察にまとめていくことは極めて愉快な学びであり、そこから僕は経営コンサルティングという仕事に就くことを志望にした。そして愉快な学びだった卒業論文は、新しい世界に行くための通行手形の役割を果たしてくれた。


惹かれて止まなかったその会社については、就職活動では資料請求も面接応募も一切しなかった。エンジニアでその会社に入らなければ意味が無いと思っていたから。そうして、経営コンサルティングの仕事を長らく続けてきたものの、クライアントとしてその会社と関わりをもったのは2回ほどだけ。その二つとてスポットであり、がっぷり取り組めたとは言い難い。


今回のテーマは、その会社のR&D部門における10年後の研究開発領域の人材戦略、組織戦略を描くというもの。技術変革が著しい産業分野の中で、新たにどのような人材がどの位必要となるのか。また、その会社らしさを保ち続ける上で、個人や組織において残していくべき価値観とは何かを明らかにせよ・・というもの。


高校時代に目指した会社の『R&D部門』。大学時代に研究してきた『経営理念』と経営コンサルティングで専攻する『組織人事』を融合させたまたとないテーマ。


プロジェクトは、会社枠を大きく超え、グループ横断で形成されたSWOTチーム。出逢う人たちとは、不思議なことに価値観が合った。クライアントにしても同じ。最初に対話をしたときから波長が合い、短い時間でプロジェクト推進にGoサイン。憧れていた会社の未来を描くプロジェクトが始動。


組織人事の専門的知見から見て、その会社が持つべき独自のカルチャーやイノベーションの源泉とは何か?なぜそれが急速に失われつつあるのか?という僕が持っていた仮説は想像以上にクライアントに響いてくれた。

関与した人たちは、なぜその会社の歴史や文化について僕が詳しいのか・・一様に不思議がった。それはそうだ。僕はその会社のことについてだったら、何の気話に働いている人よりも多くの文献に触れ、理解しているのだから。


好きなものは好き。知りたいことは自分なりに徹底して理解する。機会があったら難しくても興味があったらやってみる。長くキャリアを積み重ねてくると、そういう点と点が繋がる出来事が起こるのだ。そして、得意なことはとことん突き詰めろ!と僕に教えてくれたのは、高校時代に図書館で出逢った創業者の教えでもあるのですよね。