最近ゲームの名前でたびたび耳にする「メメント・モリ」。ラテン語で死を想え。人はいずれ死んでしまうのだから、思うがままに生きよ…死はいつも傍らにあるのだから今を大事に生きなさい…そんな意味を持つ言葉。
このことは、スタンフォード大学でのスチーブジョブズの名スピーチの中にも登場します。
人は死ぬこと以上に大変なことなどないのだから、現実世界での修羅場など開き直って向かうべし。後悔しないようにやりたいことは先送りしない。神様から預かった肉体は手入れを怠らず、大切に扱うこと。僕にとってのメメント・モリ。
キャリアをライフワークとする人間としては、有限性の自覚なくして自律などない。メメント・モリの概念を全てにおいて意識することが自律を促すといってもいい。
だからキャリア自律を人に説く立場なのに、会社という保護された立場に甘んじた緩い働き方を自覚していない人、煙草を吸ったり暴飲暴食をしている人は、僕はあまり好きになれないのです。そういう人には、きっとメメント・モリの概念など微塵もないからです。
日本型雇用や社会保障というのは、メメント・モリを希薄化させる仕組み。それが実効性を帯びたのは、戦争で死地に向き合ってきた人が活躍した時代だけだと思うのです。